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<p>【解説】 ドイツからウクライナへ戦車供与 なぜ決定に時間がかかったのか – BBCニュース</p><p>BBCニュース – 【解説】 ドイツからウクライナへ戦車供与 なぜ決定に時間がかかったのか</p><p>ウクライナへの大型戦車提供について、判断をためらったオラフ独首相は内外から批判された。なぜためらったのか。</p><p>戦車供与をめぐる議論に戻ると、戦車を誰相手に使うのかが、ドイツにとってもう一つの難題だ。ドイツの戦車が、ロシア兵に対して駆使されることになるからだ。 2回の世界大戦で、ドイツ軍は何百万人ものロシア人を殺した。そのことに、今のドイツは深い責任を感じている。 加えて、これと完全に無縁ではない問題として、今のドイツでは実に大勢の人が(とりわけ旧共産圏の東部では)西側社会の仕組みに不満を抱き、そして伝統的にロシアに親近感を抱いている。 ロシアが欧州で展開する偽情報を監視する複数のNGOは、こうした偽情報に多くのドイツ人はだまされがちだと指摘する。 しかし、昨年のクリスマス直前に行われた世論調査では、回答したドイツ人の4割が、ロシア政府の主張に理解を示した。つまり、ウクライナ侵攻は西側のせいだとロシアが言うのは理解できる、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に原因があると、回答者の4割は答えたのだ。 ショルツ首相は確固たる親・米英派だ。しかし、彼が率いるSPDは歴史的に親ロシアだった(最近ではさすがに、完全にそうだというわけではないが)。党員の多くはアメリカと、NATOにおけるアメリカの圧倒的優位を、疑わしく思っている。 こうしたさまざまな理由から(さらに後述するほかの理由も合わさり)、ショルツ首相はウクライナへの戦車供与について、ドイツの独壇場にしたくなかったし、その中心的存在にもなりたくなかったのだ。 もうひとつドイツが心配したのは、戦況激化、エスカレーションの問題だった。イギリスやポーランドやオランダといった欧州諸国は、この紛争を悪化させているのは紛れもなくロシアだと言明している。しかし、ドイツでは多くの人が、ウクライナに大型戦車など攻撃用兵器を提供すれば、ウラジーミル・プーチンをいっそう極端な蛮行に走らせかねない、核兵器も使いかねないと心配している。 ドイツだけでなくアメリカも戦車をウクライナに送るよう、ショルツ首相があれだけ強力に求め続けたのは、核大国アメリカも参加して支援してくれると欧州が安心するためだったと考えられている。</p>