このポルシェ911には秘密がある・・・。このポルシェは、一見するとごく普通の911だが、リアには6気筒のボクサーエンジンはなく、電動モーターが搭載されているのだ。
エレクトロモビリティとポルシェ、これはもはや対極にあるものではない。2019年には、「タイカン」が発売されたことから、ポルシェが今後、電動モビリティにも力を入れていくことが明らかになった。このため、今後数年間は、電動モデルを含めたポートフォリオを順次拡大していく予定だ。
現在は象徴的な「911」を開発生産し続けているが、次期「マカン」と「ボクスター」、「ケイマン」の後継モデルはともにフル電動化される。そんなに待ちたくない、ベーシックな「タイカン」に88,399ユーロ(約1,200万円)も投資したくないという人は、一見すると目立たない、この996世代の「911」をよく見てみるといい!?
eBayで、標準のようで標準でない、「ポルシェ911」が出品されていた。通常の3.4リッター6気筒ボクサーエンジンの代わりに、電動モーターが搭載されているのだ!300馬力の代わりに106kW(144馬力)のみで推進力を得るが、改造されたポルシェはエミッションフリーである。
さらにプラスポイント。「911」は今後5年間も自動車税が免除され、保険やメンテナンスも割安になる。全体として、これはおそらく「ポルシェ911」を運転する最も安い方法だ。
最大航続距離150km
29kWhのバッテリーは、最大150kmの航続距離を可能にするとされている。これは決してセンセーショナルな価値ではなく、長距離走行には向いていないものの、ほとんどの通勤客には十分な距離だろう。最大充電速度は9kWという。
販売者によれば、電気自動車「996」の最高速度は235km/hに達するはずで、現在販売されているほとんどの電気自動車より大幅に速くなる。しかし、オリジナルの「996カレラ(280km/h)」と比べれば、やはり不利である。
「カレラe」と名付けられたこの電動「911」は、見た目には通常の「カレラ」と見分けがつかないほどクールだ。ブレーキキャリパーがライムグリーンに塗られているのが憎い演出だ。他にはマフラーがない、もちろんEナンバープレートなど、小さなディテールだけが、リアに搭載された電動モーターを明らかにしている。
ポルシェはすでに235,000kmを走行している
4年半の間、「911」に乗り続けた現オーナーは、走行距離235,000km、2024年4月までの車検が残っているこの車を売りたいと考えている。理由は、新しいプロジェクトに専念したいからだ。その新しいプロジェクトとは、「BMW Z4」の内燃機関から電気自動車への改造だ。
売主はこの電気自動車「911」に興味を持ってくれた人たちのために、事前に100km以上の試乗を提供している。電気自動車「911」の入札開始価格は42,000ユーロ(約600万円)だった。しばらく入札がなかったのは、その値段で本当に良いオリジナルのポルシェ911(996)がすでにあるからだろうが、最終的には1件の入札があって、42,000ユーロ(約600万円)でオークションが終了した。
Text: Jan Götze
Photo: eBay/revenzauber