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まとめ

  • 赤ちゃんは皮膚のバリア機能が低くて紫外線に弱いです。
  • 生後6ヶ月頃までは日焼け止めの使用は控えめに。
  • 代わりに、日陰に入る/長袖着用/帽子やサングラスの活用などでの対策を!

小さい赤ちゃんをお持ちの親御さんは、お子さんにも紫外線対策が必要であることをご存知でしょうか?

赤ちゃんは、自分では日光から身を守ることは出来ません。つまり、紫外線対策は親御さんが注意してあげないといけませんね。

とはいっても、「じゃあ、どんな対策が効果的なの?」とお悩みになるかたもいらっしゃるでしょう。

肌の弱い赤ちゃんに対して、大人と同様の紫外線対策をして良いのか、皆さんご存知でしょうか。

今回の記事では、紫外線が赤ちゃんにどのような影響を及ぼすのか、そして、赤ちゃんの健やかな肌を守るためにはどのような紫外線対策をすればよいのかに関する疑問を解決していきます!

この記事を書いた医師の名前

やさひふ

Yasahifu

医師 / 皮膚科専門医 / 医学博士

Lumedia 編集長。怪しい医療情報に惑わされる患者さんを多く見た経験から Lumedia の立ち上げを決意。
皆さんのすこやかなお肌を守るため、Twitter で科学的根拠に基づいたスキンケア情報発信中。

そもそも赤ちゃんに紫外線対策は必要?

赤ちゃんに紫外線対策は必要ない、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、赤ちゃんは大人に比べると肌のバリア機能が未熟です。そのため、紫外線にも弱く、日光を浴びすぎると肌トラブルにつながりやすい、と報告されています (参考文献 1) 。

では、赤ちゃんが強い紫外線を浴び続けてしまうことでどのような肌のトラブルが起こってくるのでしょうか?

日本小児皮膚科学会は、具体的に以下のような問題を紹介しています (参考文献 2) 。

  • しわやしみなどの皮膚老化を早める
  • 将来、皮膚の癌を起こしやすくなる
  • 目の病気を起こしやすくなる

肌の老化を招くのはもちろんですが、将来の病気にもつながることには要注意です。たとえば、「子供のときに日焼けで水ぶくれになったことがある方では、後にメラノーマという怖い皮膚がんになる率が高い」という報告があります(参考文献 3)。

また、目にはカメラのレンズと同じ働きをする「水晶体」が存在しますが、赤ちゃんは大人に比べると水晶体で紫外線をカットする能力が低いので、日射しを浴びることで目の内側を痛めやすいです (参考文献 4)。水晶体が白く濁る「白内障」、視力に重要な黄斑と呼ばれる部分に異常をきたす「黄斑変性症」、目の奥を覆う網膜での「メラノーマ」などが紫外線によって引き起こされる可能性があります (参考文献 2,4)

このように、赤ちゃんが紫外線に当たることによって起こるトラブルは多岐にわたります。

赤ちゃんの肌だけでなく、生涯の健康を守るためにも小さい頃からしっかりと紫外線対策をしておくことが重要ですね。

では、赤ちゃんを紫外線から守る方法にはどのようなものがあるのか、具体的にみていきましょう。

赤ちゃんに日焼け止めを塗っても良い?

まず、紫外線対策といえば真っ先に思いつくのは日焼け止めですね。

赤ちゃんには日焼け止めを塗るべきなのでしょうか? また、もし日焼け止めを使用するとすれば、生後何ヶ月ごろから塗っても良いのでしょうか? 

日焼け止めを赤ちゃんに塗ることにご不安を感じられる親御さんも多いことかと思います。

結論から申し上げると、「生後6ヶ月までは日焼け止めの使用は控えめにする」というのが一つの目安です (参考文献 5) 。

あまりに幼いお子さんにとっては、日焼け止め自体が刺激になって、皮膚炎などの副作用を招いて逆効果というおそれがあるからです。もちろん肌質には個人差もありますが、わかりやすい基準として覚えておくと良いでしょう。

日焼け止め以外に赤ちゃんを紫外線から守るには?

それでは、日焼け止めに頼れない生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、どのように紫外線から守ってあげれば良いのでしょうか?

代わりの紫外線対策としてアメリカ食品医薬品局とアメリカ小児科学会が推奨している方法は、生後6ヶ月までは「そもそも直射日光に当てない」ことです (参考文献 5,6) 。

具体的には、日差しの強い時間帯には外出を避ける、日陰に入る、帽子をかぶる、長袖の服を着る、サングラスを着用する、などの方法があります。

これらの方法について、それぞれ具体的に解説していきます!

日差しの強い時間帯には外出を避ける

日が高い10時-14時は日差し、つまり紫外線が最も強い時間帯です。

この時間帯にはなるべく屋内で過ごす、外出時間を短くするなどして、赤ちゃんを強い紫外線に直接当てないように親御さんが心がけてあげましょう (参考文献 6) 。

日陰に入る

用事などがあって外出を避けられないときには、シンプルですが日陰を探してみるのも有効ですね。赤ちゃんを木陰などに入れてあげて、なるべく紫外線に当たらないように守ってあげてください。

あるいは、ベビーカー用パラソルやビーチパラソル、テントなどを活用して、親御さんが赤ちゃんを守るための日陰を自分で作ってしまう方法もありますね (参考文献 6) 。

帽子をかぶる

顔や耳、首の後ろなどは帽子で紫外線から守ってあげましょう。

アメリカの小児科学会によると、お子さんを紫外線から守るために必要なつばの長さの目安は「3インチ」、つまり 7.6cm」 です (参考文献 6) 。

また、つばが前側にしか無い野球帽やキャスケットでは首の後ろなどを十分に保護できません。代わりに、カンカン帽子 (麦わら帽子) のような、周囲全体につばが付いているタイプの帽子を選びましょう。保護しそこねている部位が出ないように気をつけてくださいね。

長袖の服を着る

長袖シャツや長ズボンで肌を覆って、赤ちゃんの皮膚が直接日差しにさらされないようにしましょう。ただし、熱中症対策なども勿論重要ですから、赤ちゃんが暑くならないように綿素材の涼しい服などを選ぶなどの工夫をお願いします。

さらに、せっかくであればUPF (Ultraviolet Protection Factor:紫外線保護指数) という数値が高いお洋服を選ぶことで、より確実に紫外線から赤ちゃんの皮膚を守ることができます (参考文献 5,6) 。

UPF についてはこちらの記事で解説していますので、ご参照くださいね。

サングラスを着用する

紫外線からお子さんを守るには、サングラスの着用も有効ですね。目や、その周囲の皮膚を直射日光から保護してくれます。

紫外線対策用のサングラスを選ぶ際には、「99% 以上の紫外線カット効果」があると表記されている製品を選んであげると良いですね (参考文献 6) 。

お子さんの成長に応じて、ぴったり合うサイズの製品を探してあげて下さい。

紫外線対策は念入りに!

今回の記事では、お子さんを紫外線から守る方法について順にまとめました。

これらを完璧に行うのはなかなか大変ですが、お子さんの健康を守るために可能な範囲で配慮してあげましょう。

なお、大まかな目安として生後6ヶ月以降は日焼け止めを使用してOKです。

お子さん向けの日焼け止め選びのポイントについては以前にこちらの記事↓で解説しているので、ぜひ併せてご参照下さいね。

もちろん、日焼け止め使用可能な年齢のお子さんでも、ここまでに説明してきた紫外線対策は有効です。6ヶ月以降のお子さんでは、日焼け止めとそれ以外の方法をうまく併用してみてくださいね。

赤ちゃんの頃からの紫外線対策で、健やかな肌を守ってあげましょう!

COI

本記事について開示すべき COI はありません。

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