ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長によると、WEC世界耐久選手権はセブリング・インターナショナル・レースウェイでのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権との共同レースウイークエンドついて「再考」しているという。
FIA国際自動車連盟とともにWECを共同運営するル・マン24時間レースの組織委員会のトップは、現在の“スーパーセブリング”のフォーマットが、ふたつのハイレベルなスポーツカーレース・シリーズそれぞれに関わる利害関係者に関わる問題を引き起こしていると説明した。
フィヨンはデイトナで記者団に対し、2019年と昨年、WECが金曜日に1000マイルレースを開催し、IMSAが土曜日にモービル1・セブリング12時間レースを開催したイベントのフォーマットを長期間維持することは「不可能である」と語った。
ハイパーカー・クラスの台数が増えるWECの2023年シーズンが始まる3月中旬には、これまでと同じ構成で第3回目の“スーパーセブリング”が開催される予定だが、2024年のスケジュールではセブリングの位置づけは確定していない。
「最優先事項はアメリカに来ることだ」と、フィヨンは語った。
「私自身はセブリングが大好きだ。象徴的なレースでもある。しかし金曜日にレースを行い、土曜日にもレースを開催し続けることは不可能だ」
「スポンサーやメーカーにとっても、ひとつの週末にふたつのレースを開催することは難しい。別の解決策を見つけなければならない。何が(最善の)解決策なのか、私には分からない」
「IMSAと共通のイベントを続けていくことを考えているが、どうすればそうできるか検討しているところだ」
フィヨンは続けて、セブリングのフォーマットは「再考」する必要があると述べたが、それがどうなるかを明かすのは「時期尚早」であることを認めた。
WECはセブリングにある仮設パドックとピットレーンで運営されており、多くの車両がイベントに参加できるようになっている。それらは開幕1週間前に行われるプレシーズンテストである“プロローグ”でも使用される。
なお、2024年はカタール6時間レースでシーズンが開幕することから、プロローグも中東のロサイル・インターナショナル・サーキットにて実施される予定だ。
「ピットレーンがふたつあるのは、セブリングにとっていいことだ」とフィヨンは言う。
「それはスペースの問題ではなく、タイミングの問題だ。パートナーやスポンサーとの間に(対立が)あるんだ。メーカーのレベルが上がっているので、このダブルイベントのあり方を考え直さなければならない」
Sportscar365が、WECの北米ラウンドをIMSAの他の既存イベントに移行することは可能かと尋ねると、フィヨンは次のように答えた。
「今日言えることは、我々のパートナーシップは継続され、いくつかの共通のイベントを持ち続けたいということだ。しかし、答えを出すにはまだ早い」
IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、セブリングでの共同開催の話題について「これからもっと多くのことがある」と付け加えた。
「エド(・ベネットIMSA CEO)は、我々が非常に活発な運営委員会があり、座って全体像を見ていると言った」とドゥーナン。
「私はふたつの組織として、このスポーツにとって正しいことをするのが我々の意図だと思う」
「北米市場が、両選手権や北米で戦うブランドにとって、どれほど重要なものであるか私たちは知っていると思う」
「それについては(後に)さらに説明するが、私たちがほぼ毎日話していることを知っておいてほしい」