1月28日、2022/2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9の第2戦ディルイーヤE-Prixがサウジアラビアで開催され、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が優勝を飾った。
1月15日に開幕を迎えたフォーミュラEシーズン9。新型“Gen3”シャシーおよびハンコックタイヤの導入が注目を集める新時代の開幕戦は、ポルシェ・パワートレインを搭載するジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)が圧勝するレースになった。
迎えた第2ラウンドはサウジアラビア・ディルイーヤでのダブルヘッダーとなり、28日に第2戦、29日に第3戦が行われる。まず行われた第2戦の予選ではセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)がポールポジションを獲得。ブエミにとってシーズン5以来のポールとなった。
39周で争われる決勝レースはポールスタートのブエミを先頭に、2番グリットのジェイク・ヒューズ(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)、3番グリットのサム・バード(ジャガーTCSレーシング)というトップ3は変わらず。
しかしスタートライン後の実質的な1コーナーとなる狭いターン18〜19では数台のマシンが接触し、パーツの脱落があったためセーフティカー(SC)が導入。SCは1周で解除となりレースはリスタートされた。
そのリスタート後には3番手バードが2番手ヒューズをオーバーテイクしてポジションを上げると、その勢いのままトップのブエミに迫る。そして7周目のターン18でインを突いたバードが隊列の先頭に立ち、ブエミ以下を1.5秒引き離す速さを披露していく。
レース折り返しとなる20周目には、9番グリットからポジションを上げてきたパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が2番手ブエミにテール・トゥ・ノーズでバトルを仕掛ける。その後ブエミがアタックモードのアクティベートゾーンに進んだため、ウェーレインは労せず2番手に浮上する。
そのウェーレインは首位バードに一気に迫ると、ストレートエンドのターン18でインに飛び込む。しかしウェーレインが止まりきれなかったため、ここでは順位は変わらず。両者はその後もバトルを続け、ベテランのバードが巧みなブロックでウェーレインを抑えるも、30周目のターン18でウェーレインが再びインに飛び込み万事休す。
これでトップに立ったウェーレインは残りのアタックモードも使用して首位を快走するも、背後には2番手に順位を上げてきた開幕戦ウイナーのデニスが1秒以内に迫る。だが、この伏兵の出現にも落ち着いた走りをみせたウェーレインがポジションを譲らずトップチェッカーを受けた。
2位は0.5秒差でデニスが入りポルシェ・パワートレインがワン・ツーを飾った。続く3位表彰台にはバードは続き、4位にポールスタートのブエミ、5位レネ・ラスト(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)6位ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)というトップ6になっている。