ハイブリッドやEVが主流を占めつつある今のクルマ社会にあって、旧車オーナーの方々は、どんな思いで乗っているのだろうか?
そこで、今回は1990年代~2000年前後のネオクラシックカーオーナー10人に本音を聞いてみた!
文/松村透
写真/ネオクラシック系オーナーのみなさん
※この情報は2022年12月25日現在のものです
■1.日産スカイラインGT-R(R32)編
旧車およびネオクラシックカーをざっくりひとくくりにすると「古いクルマ」となる。たしかに、現行モデルを所有するオーナーからすれば「最新モデルではなく、なんでわざわざ古いクルマに乗るの?」という感覚かもしれない。
それは事実である一方で、「単に古いだけのクルマ」だとしたら・・・、ここまで人気が過熱することはないだろう。
さまざまな要因はあるだろうが、つまり「魅力的だから人気がある」ということは断言して間違いなさそうだ。
では、実際にこの年代のクルマを所有するオーナーはどのような経緯で現在の愛車を手に入れ、どのようなカーライフを送っているのだろうか?
今回、1990年代〜2000年前後のネオクラシックカーオーナーの10人の方にご協力いただき、「正直ココがしんどい部分(でも幸せ! )」な部分にスポットを当てつつ、ひと昔前のクルマの魅力と本音について徹底取材。まずはR32GT-Rオーナーから紹介していこう。
お名前:福田光慶さん
ご年齢:25歳
愛車:1991年式日産スカイラインGT-R(R32)
購入時期:2019年
所有年数:3年
現在の走行距離:約20万km
年間の走行距離:約2000km
購入時の金額:内緒です(笑)
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.日産を代表するクルマのひとつだからです
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.問題なく走るんですが、細かいところに目をやると、修理したい部分がチラホラあります。懐事情を考えながら、どうするか悩んでいる時がしんどいです
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.苦労はしていますが、幸いにも人気車種であり、部品によっては日産が純正部品をまだ出してくれていたり、オークションサイトに純正中古がいくらかあったり・・・と、なんとか入手できる状態です
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.無いものは多いですが、前述の通り、基本的にオークションサイトを漁れば純正中古を見つけられる状態ですので、特に無いかなと。
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.部品がもっと安価で手に入るようになればなぁ〜と思いますね・・・。各パーツ、入手はできても基本的に高価なため、修理で貯金が吹き飛んでしまうのがどうにかならないかなぁと。R32GT-Rの持病ともいえるサイドシル、リアクォーターの交換費用がすごく高いのです
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.モノづくりに関わる仕事をしているので、自身のモチベーションアップになります。「自分もこのGT-RのようにMade in Japanのプレゼンスを高められる製品を生み出したい」という気持ちにさせられます
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを
A7.私と同じ若い世代はぜひ「壊れにくい新しいクルマ」or「壊れてもいいクルマ」を手に入れて、いろんなところに出掛けて、ガンガン遊び倒すことをオススメします!(本心です・笑)
■2.日産スカイラインGT-R(R34)編
お名前:TARさん
ご年齢:62歳
愛車:2002年式日産スカイラインGT-R STD
購入時期:2002年
所有年数:20年超
現在の走行距離:31万km
年間の走行距離:1.5万km
購入時の金額:500万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.昔からGT-Rが好きで、2002年にBNR34型生産終了のニュースを聞き、ステージア260RSから乗り換えを決断しました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.部品入手に年単位を要したり、部品が製廃だったり、価格がどんどん高くなることです
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.苦労しています。製廃、納期未定の部品が多くなっています
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.専用部品の6速トランスミッション、デフ、シート、マルチファンクションディスプレイなど滅多に壊れるものではないですが、直らない時は困ります
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.〇1.修理の視点ですでに実現していますが、さらに浸透することで楽になると思うのは・・・
(1)新工法の型レス、3Dプリンターでボディー部品は適切な価格で直せること
(2)海外で部品が製作されて容易に入手可能になること
(3)匠の技術、ノウハウが伝承されて直せる匠が途絶えないこと
○2.社会環境の視点で、盗難が撲滅すること。追突、踏み間違いなどの事故を回避する安全装置の進化とその普及で、安心して所有できる環境になれば、オーナーのストレスは軽減します
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.下記の3つです
(1)GT-Rを通じてたくさんの繋がりができたこと
(2)イベントを楽しめること
(3)人生最後のスポーツカーに出会えたこと
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.オーナーがいうのもおかしな話ですが、スカイラインGT-Rを手に入れるのはあまりオススメできません。その理由として、最終年式でも20年以上経過しているので、故障、修理で楽しめるまでのハードルが高いこと、盗難、もらい事故などのリスクで精神的に疲れるからです
Q8.それでも手に入れたい方へアドバイスをお願いします
A8.スカイラインGT-Rの選び方として
(1)新車からの使用環境、メンテナンス、整備、修理記録が明確なスカイラインGT-Rであること
(2)信頼できるスカイラインGT-Rのお店のユーザーが所有する個体であること
(3)知り合いのスカイラインGT-Rであること
Q9.所有してから意識しておきたいポイントは?
A9.ポイントは下記の3つです
(1)直しながら乗る覚悟で予算を確保して、信頼できるお店で診てもらってください
(2)盗難、もらい事故のリスクを最大限回避する策を講じてください
(3)スカイラインGT-Rオーナーと繋がりを持って、悩み、困りごとは早く解決、楽しみは何倍にもしてください
■3.日産パルサーGTI-R編
お名前:お杉さん
年齢:35歳
愛車:1992年式日産パルサーGTI-R
購入時期:2005年
所有年数:17年
現在の走行距離:11.8万km
年間の走行距離:1500km
購入時の金額:菓子折りとほんの気持ち
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.学生時代の先輩が廃車にするとのこと譲っていただきました。次の世代のVZ-Rを買おうと思っていたのでちょうど良いタイミングでした。幼い頃から、見た目もすごいクルマという感じがして、興味があるクルマだったんです
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.パルサーGTI-Rは「壊れる」といわれ続けているクルマです。そのため、とんでもない壊れ方をしたらどうしようと心配しながら乗ることです(笑)。
経年劣化が原因とはいえ、ダッシュボードが割れることも多く、私の個体もいつか割れるのではないかと不安になったりします。
一度、程度の良い中古品に替えていますが、もともと装着されていたダッシュボードは走行中に目の前で割れたことがあったので(笑)
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.最近、レストアしたのですが、この時「外装部品は総じてもう出ない」ことがわかりました。クラッチ交換した際にヒーターホースも併せて交換しようとしましたが、純正は「もう出ない」状況です。ただ、走行する上で必要な部品に関しては、私の個体ではまだ困る状況にはなっていません
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.ウィンドウ周りとボディのモール全般(フロント上部以外)、マフラーのフロントパイプ、ピストン関係、ヒーターホース関係
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.部品の供給に心配がなければ安心でき、ラクになれると思います。故障しても、直せる見込みが有るとないでは気持ちの余裕が変わるためです
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.幼い頃から気になっていた存在だったクルマに乗れていることです!手はかかりますが、どんどん改善されていくのも楽しめています(元の程度が悪すぎたので・・・)。
同じパルサーオーナーさんたちとの繋がり、新車時からお乗りの方とのコミュニケーションや、ウィークポイント、改善点の情報を共有して盛り上がるのは楽しいです
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.可能な限り、今までのメンテナンスがわかるような車両を選ぶ方が良いと思います。すでに部品が手に入らないモノでも交換されている可能性もあるので、少しは安心感が増すかもしれません(意外と低走行車の方が部品関係の劣化が「突然くる」可能性があり、注意してください)
■4.日産シルビア(S15)編
お名前:糸井賢一さん
ご年齢:52歳
愛車:1999年式日産シルビアSpec S
購入時期:1999年
所有年数:23年
現在の走行距離:約15万km
年間の走行距離:約6500km
購入時の金額:S14下取り+160万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.S14は前後左右に突っ込まれ、さすがに「相性(?)が悪い」と乗り換えを考えていたところ、S15が登場したため
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.ビビり音の多さ、こもり音や共振音の大きさ。長時間運転時は結構、疲れます
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.いいえ
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.すでに欠品も出ているそうですが、純正や新品にこだわっていないので詳しくは分かりません。逆にいえばリビルドや他車からの流用、社外製のパーツは、まだ多く残っているので助かっています
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.いまだ、じわじわと値上がりし続けている保険料(月に6,000円/車両抜き)と月極の駐車場料金(月に15,000円)です
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.正直、販売当時から古くさくて性能の低いクルマです。ですが、運転の楽しさや気持ちよさは、性能とは別のところにあると教えてくれました。
最新のクルマに試乗すると心が動かされますが、S15に戻ると、このクルマにしかない楽しさが買い換えの意欲を吹き飛ばしてくれます。今のクルマでは出せないスタイルやアナログなところ、構造がシンプルなところも気に入っています
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.先ほど「性能が低い」と書きましたが、日常使いには十分な性能を持っています。今の環境を考えれば、サイズはコンパクトで車重も軽量な部類。視界も広々としており、極めて扱いやすいクルマです。
決して良くはない燃費、割高な税金に保険料というネガティブな面も持っていますが、総じて維持はしやすいと思います。サビのトラブルが増える年数に入っているので、ボディや溶接箇所をよーく見て購入することをオススメします。
■5.マツダ RX-7(FD3S)編
お名前:R.Sさん
ご年齢:30歳
愛車:1992年式マツダ アンフィニRX-7(FD3S)
購入時期:2021年
所有年数:1年
現在の走行距離:8.3万km
年間の走行距離:2000km
購入時の金額:320万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.小学生の頃からの憧れで、将来必ず手に入れたかった一台(以前同じクルマに乗っていましたが、グレードにこだわり、ボディカラーを妥協してガンメタにした結果、そこまで愛着が沸かず・・・。どうしても黄色が欲しく再度購入しました)
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.多発する盗難のリスクと対策。あとは内装やエンジンルームの樹脂部品の経年劣化していくこともしんどいです
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.部品供給に関してはマツダは神様です!
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.多くのトラブルに見舞われ、数々の部品を注文してきましたが、欠品は一度もなかったです。13Bのエンジンがいまでも新品で出ます(困ったことをしいていうなら、オプションのマツダスピードエアロが出なかったことです。でもこれは純正部品ではないので・・・)
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.おかしな話ですが、車体の相場が下がって欲しいです。売る気はないので高騰しても何の利益もないですし、盗難のリスクが増すばかりでまったく嬉しくないのです
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.見て幸せ。乗って幸せ。聴いて幸せ。「自分はFDを所有しているという事実があることが幸せ=人生楽しい」ということですね(笑)
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.現行の86やロードスターを新車で買った方が間違いなく幸せになれます。それでもこの時代のクルマが欲しいというマゾヒストの方・・・。きっと仲良しになれそうです
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■6.マツダ ユーノスロードスター&メルセデスベンツEクラス編
お名前:numaさん
ご年齢:25歳
愛車:1991年式マツダ ユーノスロードスター Vスペシャル(NA6)/1993年式メルセデスベンツ320E(W124)
購入時期:2017年1月/2022年2月
所有年数:5年11ヶ月/10ヶ月
現在の走行距離:17万km/8.9万km
年間の走行距離:5000km/1万km
購入時の金額:20万円/270万円
●ユーノスロードスター(NA6)編
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.元々NA8に乗っていたのですが、廃車にしてしまい、NA6に乗り換えました。「FR・軽い・安い」という3拍子揃ったクルマだったこともあり、当時ヤフオクで現車確認せずに落札しました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.私の個体に限ってですが、重ステ×エアコンレスなので夏は乗れたもんじゃないです…
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.入手自体は困りませんが、数年前より全体的に取引相場が上がっている気がします。限定車の内装や絶版社外パーツを狙うならある程度の覚悟は必要です!
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.ないです!
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.旧車ブームなので仕方がないことですが、コレクタブルカーになりつつあるが故に中古パーツの入手難易度が上がってきているように感じます
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.ライトウエイトFR×オープンカー×テンロクという希少なパッケージだからこその「止まる〜曲がる〜踏み抜ける楽しさ」を感じられること。
また「ロードスター」というひとつのキーワードだけで、老若男女・全世界のいろいろな人と知り合えること。ユーノスロードスターを介して仲良くなった人たちがたくさんいますし、妻との初デートにも活躍してくれたりとかけがえのない相棒です!
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.かなり値段も高騰してしまい、昔に比べると手が出しにくくなった代表格な車種ではないでしょうか。
ただ上述の通り、稀有なパッケージ/スタイリングであることは間違いないので、本当に欲しいなら少し高くても買う価値はあると思います。旧車リテラシーが高くない人はNBあたりがお勧めですが、私は俄然ユーノスロードスター(NA6)を推したいと思います!
●メルセデスベンツ320E(W124)編
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.人とモノが乗るクルマを増車したく、セダンやフルサイズクーペを物色していました。ヒストリーやメーカーの拘りを感じられるクルマが好きなのもあり、W124に辿り着きました(メルセデスベンツCL/W216, ゲレンデヴァーゲン/W460, 日産レパード/UCF31辺りも候補でした)。
その中でも、内外装の組み合わせ/法人ワンオーナー/オプション満載のこの個体に出会い、現車確認したその日に即決しました。
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.旧車と割りきって接してはいるものの、素性がいいクルマなだけに、静粛性や乗り心地を追求してメンテナンスのドツボにハマってしまう
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.機関系のパーツには苦労していません。が、内外装が希少色ということもあり、ヤフオクやeBayになかなかスペアが出てこないのが悩みです
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.OEM含めればほとんどのパーツで供給受けられるのですが…。しいていうなら前期の段付きアンテナ台座でしょうか(OEMで台座の供給はあるのですが、段なしがほとんどなんですよね)
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.水温が上がりがちなので、夏場は少し気を使うところ(しっかり手を入れれば問題なしです!)
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.W124といえば、自動車史を語る上で必ず名前が出てくるレガシー的な存在ではないでしょうか。”ロマンも含めたヒストリー”や”機械としての緻密な詰め”に触れられること。「上質な普通」を一度体験してしまうと、なかなか他のクルマに乗れなくなりますよ!
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.中古車サイトでの掲載台数こそあまり変化ないですが、確実に「選べない状態」になってきていす。歴代オーナーの乗り方が良かった個体であれば、走行距離などに依らずベストパートナーになるはずです。細かい仕様は好みですが、唯一、パーツの供給量や乗り味の観点からLHDをお勧めします
■7.ホンダインテグラタイプR(DB8)編
お名前:T3さん
ご年齢:30歳
愛車:1997年式ホンダインテグラタイプR(DB8)
購入時期:2011年
所有年数:11年
現在の走行距離:27.5万km
年間の走行距離:1万~2万km
購入時の金額:80万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.小学生のころからDC2型のインテグラが欲しかったんです。専門学生の時に4ドア(DB8型)もあることに気づき、そちらの方が4ドアで人を乗せる時など、いろいろ便利だなと思いこちらを選びました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.まさしく今現在(12月19日)、現在進行形ですが・・・。20年以上古い車両なので、壊れるときはいろいろな箇所が次々と壊れるのがすごくしんどいです
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.苦労しています。いざ壊れて急遽探したときの廃盤の文字は心を折られますよね(泣笑)
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.一例ですが、ブレーキホース、フューエルレギュレーター、パワステ高圧ホース等、保安部品も多いです
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.ありますが、いろいろな事情があると思うので仕方ないと割りきっています
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.こちらもいろいろとありますが、一番は自分が乗りたいクルマに乗り続けられること。それだけで手に入れた意味が大きいですし、妥協していたらきっと今頃後悔していたでしょう
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.乗っているからこそいえますが、絶対おすすめしません。部品もありませんし、お金もかかる、車両に数百万払って手に入れてもそれがいつ壊れるかわかりません。
ある程度自分で整備する知識がないと何もできないかもしれません。「それでも手に入れる!」といった強い気持ちがあるとすれば買ってもいいかもしれません
■8.ホンダシビックタイプR(EK9)編
お名前:R.Yさん
ご年齢:28歳
愛車:1999年式ホンダシビックタイプR(EK9)
購入時期:2017年
所有年数:5年
現在の走行距離:18.4万km
年間の走行距離:1.2万km
購入時の金額:120万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.私が2歳から12歳まで父がEK3型のシビックフェリオに乗っていたこともあり、EK3型と比べてEK9型がものすごくカッコいいと思いました。その頃から欲しいと思い、大学卒業前に購入しました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.「リフレッシュしたいのに部品が出ない」ことでしょうか。この点は20年以上経っているクルマなので仕方がないと半ば諦めています。しかし、今までに部品がなくて修理できないという事態に陥ったことや不動になったことはありません
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.かなり苦労しています。メーカーで出ないパーツはオークションなどをチェックして、中古で程度の良いモノを購入したりします。ただ、メーカーで出る部品も買い占められてオークションで高額で取引されている印象があります
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.基本的には、出る部品は少ない印象ですが、年数的にも仕方がないことですし・・・。走りに直接影響する部品は出してくれてる方だと思っています。
個人的には、
・72310-S03-003 ウェザーストリップ 右
・72350-S03-003 ウェザーストリップ 左
の2点欠品が大きいです。探していますが、部品は出ませんし、ネットオークションでもなかなか見つかりません。
ウェザーストリップを替えている知人のシビックのドアを閉めた時、こんなにも自分のヘタったウェザーストリップとは違うのか!というほど手応えが良かったですし、音も静かでした。
直接走りに影響するブッシュ類、ゴムパーツなどは社外品等もありリフレッシュできます。しかし、走りに直接影響しない部品は社外品も少ないですし、リフレッシュした時の満足度はかなり高いような気がします。
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.特にありません
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.幼少期から憧れを手に入れられたということでしょうか。また、このクルマを通じてたくさんの方と出会い、維持するにあたり多くのアドバイスをいただけていることに感謝しています。所有している満足度はとても高いです
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.SNS等で「現行のクルマを買った方が幸せになれる」といった投稿を見かけることがあります。確かに部品は出ないし、ゴムパーツは劣化して交換は必須ですし、壊れるリスクも高ければ、車両本体、部品ともに高額です。
確かにそういった面からも、現行車は壊れるリスクは少ないので幸せになれるかもしれません。しかし、欲しいと思ったらそんなに覚悟を決めずに乗ってみていいと思います。
責任感のないコメントで申し訳ないですが、それでやっぱり維持が厳しいと思えば、現行車に乗り換えればいいのかもしれません。自分も初めは古い車を乗るのに覚悟なんてありませんでした。
修理に追われて貯金はできないし、走ればどこかしら壊れるし、はじめの3年ぐらいは修理ばかりでした。ですが、運転すると楽しくてついついロングドライブしてました。クルマを修理してお金が掛かっても乗れるだけで嬉しいので幸せです。
最近はようやくトラブルが落ち着いてきた印象です。5年掛けてひととおり手をつけたという感じですね。欲しいクルマを手に入れたときの満足度と幸福度は何者にも代えがたいです。
一度でも手にすれば、ライフスタイルの変化などで手放しても、一生思い出として記憶に残こりますし、人生の糧になると思います。
■9.ホンダS2000(AP1)編
お名前:つるのさん
ご年齢:ヒミツ
愛車:1999年式ホンダS2000(AP1)
購入時期:2006年
所有年数:17年(2023年1月末で)
現在の走行距離:約31.7万km
年間の走行距離:約1万km
購入時の金額:210万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.デビューした頃から好きで、いつか乗ろうと思っていました。当時乗っていたシビックがオイル漏れを起こし始めたのがきっかけで「今のタイミングを逃すと2度と乗れないかもしれない」と考え、乗ろうと決意しました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.外装の経年劣化がここ最近、急速に進んでいることです。ボンネットの塗装が剥がれてきたり、ヘッドライトやモール類が劣化したりと次々に出てくるのでため息をつく日々です(笑)。ぼちぼちリフレッシュしていけたらと思います
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.入手困難な部品であっても、お世話になっているプロの方がなんとかしてくださっています。ありがたい限りです
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.アクセルワイヤーがありません。新品を見かけたら確保しておいたほうがいいと思います。修理・製作をする専門の会社に依頼する手もあるようです。
また、ゴムやパッキンなどの消耗品類も確保しておいたほうがよさそうです。それからエンジンハーネスの供給が危ういと聞きましたので、ストックがおすすめです
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.自動車税の負担が減ることでしょうか。これをいってしまうと「じゃあ旧車なんか乗るなよ」と突っ込まれてしまうので、口にしないようにしています。でもやはり自動車税の格差は解せないです
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.乗り始めてからずっと、S2000を所有している喜びが持続していることができていること、でしょうか。ふとしたことから「乗れて良かった」と幸せを噛み締めることがあります。運転中やショーウインドウに映り込んだ姿を見たときに幸せを感じています
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.初期型からは20年、最終型でも10年以上経過しているクルマなので「リフレッシュ費用込み」の予算は必須だと実感しました。サーキットで酷使されてきた個体も多いので「年月を経て実感している立場としていうなら、最低でもプラス100万はみといてください」ですかね・・・。
こまめにメンテナンスしていれば大きな支出を防げるとは思いますが、やはり日々のメンテナンスで消耗品やオイルなどチリツモでかさみますね・・・。
今年の夏にエンジンのオーバーホールを経験し、エンジンまわりの部品をほとんど交換しました。エンジンマウント、ミッションマウント、ノックセンサー、オルタネーター、O2センサー、サーモスタット、オイルポンプ、ウォーターポンプ、エンジンハーネスなどです。
劣化した部品をこまめに交換しつつ、主治医のアドバイスのもと乗っていくのがベストでしょうか。サーキットを走る・走らないにかかわらず、信頼できる主治医の存在は必要だと思います。購入する準備と並行して主治医とご縁をつくるのも良いかもしれません
■10.ホンダNSX(NA1)編
お名前:K.Wさん
ご年齢:30歳
愛車:1991年式ホンダNSX(NA1)ベースグレード
購入時期:2016年
所有年数:6年
現在の走行距離:6.4万km
年間の走行距離:5000km
購入時の金額:370万円
Q1.手に入れようと思ったきっかけは?
A1.上司がNSXに乗っており、スタイル走りに一目惚れしました
Q2.ズバリ「正直ココがしんどい」ことは何ですか?
A2.パーツが高い、最近は純正部品も廃盤になってきているものがある
Q3.純正部品の入手に苦労していますか?
A3.金額的に苦労する場面があるため、できれば値上げは避けてほしいのが本音です
Q4.純正部品で欠品のものを教えてください
A4.typeR用のクラッチペダル、メーター、02R用の内装、リトラクタブルヘッドライトなどです
Q5.○○○が変われば少しでもラクになれるのに・・・と思うことはありますか?
A5.パーツの値段とパーツの納期に時間がかかってしまうこと、昨今話題の盗難事件がなくなれば気軽に乗れると思います!
Q6.それでもやっぱり手に入れて良かったことはなんですか?
A6.モチベーションの維持向上、NSXを運転、見ているときの楽しさやスタイル
Q7.これから手に入れたいという方へメッセージを…
A7.NSXは維持していると仲間が増えたり、モチベーション向上に繋がります!少し頑張ってでも夢を叶えてください!
■取材後記:しんどいだけじゃない、所有できる喜び幸せがあればこそ
現ネオクラシック系オーナーのみなさんを取材して想うこと、それは「さまざまなしんどいできごとに勝る、所有できる喜び」に尽きる。
「あばたもえくぼだ」といわれたらそれまでだが、純正部品の欠品や製廃(製造廃止)、各部の経年劣化に伴うさまざまなトラブル・・・。それを補ってあまりある魅力があるのだと再認識した。と同時に、自らの苦労・苦悩があるからこそ「安易に勧められない」といった本音が見え隠れしたことも事実だ。
現代のクルマのように快適でトラブルフリー、純正部品の調達に悩まされずに済むことはない。極上車だと思って手に入れたとしても、それは20年、下手をすると30年選手だったりするのだ。どこかしらに不具合を抱えていたり、交換時期が迫っている部品が数多くあることも珍しくない。
つまり「手に入れてから走り出すまでにプラスαの出費を覚悟する必要があること」を覚悟して契約書にサインする必要がありそうだ。それはまさに「本当に維持できるだけの覚悟があるのかどうか?」を試されている踏み絵のようなものだ。
その嵐の期間を乗り越えてこそ、初めて「しんどいだけ」じゃない、所有できる喜びを噛みしめられるのだと思う。
いつか憧れを現実にしたい、しようと思っている方の一助となれば幸いだ(と同時に、引導を渡すきっかけとならないことを祈るばかりだ)。
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投稿 RX-7 GT-R シルビア…ネオクラシック系オーナー10人が本音を激白!!「正直ココがしんどい でも幸せ」 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。