商用EVメーカーのEVモーターズ・ジャパンが小型商用EVのニューモデルを発表した。新型は大小2タイプの低床ウォークスルーバンで、小さい方は現行普通免許で運転可能なのが特徴。今年の年末に発売予定とのことだが、一体どんな特徴があるのか? 都内の展示会に登場した実車をレポートした!!
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/EVモーターズ・ジャパン、トラックマガジン「フルロード」編集部
圧倒的な積載ボリュームを誇る荷室
今回発表された新型は現行免許制度の普通免許〜準中型免許をターゲットにした低床ウォークスルーバンである。ラインナップは2タイプで、普通免許対応の車両総重量(GVW)3.5トン車が「E1」、準中型免許対応のGVW5トン車が「E2」と呼ばれる。
車体寸法は全長5.38m(E1)/5.9m(E2)×全幅1.9m×全高2.65mで、ホイールベースは3.13m(E1)/3.65m(E2)。普通免許対応のE1は、トヨタ・ハイエースのワイド/スーパーロング(全長5.38×全幅1.88m×全高2.28m、ホイールベース3.11m)に近い寸法だ。
バッテリーは中国のCTAL社製リチウムイオンを床下に搭載。容量は59.52kWh(E1)/78.72kWh(E2)となっている。永久磁石同期モーターで前輪を駆動するFFレイアウトを採用しており、モーター出力は定格50kW(E1)/100kW(E2)、最大60kW(E1)/120kW(E2)を発揮。
一充電あたりの走行距離(NEDCモード)は240km(E1)/200km(E2)。充電は普通/急速の2種類に対応する。また、ルーフや側面に補助電源に活用できるフレキシブルソーラーパネルも搭載できる。
床下のプロペラシャフトが不要なFFレイアウトは荷室の低床化に寄与し、荷室寸法は長さ3.42m(E1)/3.92m(E2)×幅1.68m×高さ2.1mを確保。120サイズのダンボールの場合、E1で140個、E2で160個を積載可能で、フロア高(床面地上高)も44cmとかなり低い。
サスペンションはフロントが独立懸架ダブルウィッシュボーン、リアがリーフで、タイヤサイズはE1が215/75R16LT、E2が前215/75R16LT、後225/75R16LTとなっている。
電子ミラー仕様も選べる運転席
ウォークスルー構造により荷室からそのままアクセスできる運転席はシンプルなブラック基調で、スイッチ付きステアリングホイールの奥に液晶メーターを配置。インパネ中央の液晶モニター共々、操作はステアリングスイッチから行なう。ミラーは物理と電子を選べるという(展示車は両方搭載)。
インパネ中央下部はハザードボタン、エアコン操作ダイヤルなどを配置。プッシュ式のスタータースイッチ、電動パーキングブレーキのスイッチ、シフトレバーなどもインパネに備わる。シフトレバーはR、N、Dをストレートに配すシンプルなタイプだ。
安全装備は、車両安定制御装置(ESC+ABS)、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)、車線逸脱警報装置(LDWS)などを標準装備。ヘッドランプや荷室ランプはLEDだ。
発売予定時期は2023年末の予定。価格は未定だが、広報担当者によると現時点でE1が800万円、E2が900万円ぐらいを想定しているという。
なお、同社は昨年5月開催の「ジャパントラックショー2022」でGVW6トン級の小型商用EVを発表。同モデルは現時点で発売未定である。また同社は北九州市に国内初の商用EV最終組立工場を建設予定。国内生産に向けて準備を進めており、この動きも注目したい。
投稿 120サイズのダンボールを1度に140個以上運搬可能!! EVモーターズ・ジャパンが今年末発売予定のEVウォークスルーバンの実力とは? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。