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アルファード/ヴェルファイアのモデルチェンジは2023年5月!? アリアB9の登場は!? 2023年国内自動車メーカーニューモデル情報!!

 2023年がスタートして、早1カ月。昨年2022年は、話題の新型ミドルクラスミニバンや軽BEVの登場、そして老舗セダンの大改革などが大いに話題となったクルマ業界。今年2023年も新型車の登場は多く計画されているが、なかでも今年注目すべきメーカーをいくつかピックアップしたのでご紹介しよう。

文/吉川賢一、写真/MAZDA、KIA、GEELY、LYNK&CO、ベストカー編集部

■EV用2段変速機の共同開発を発表した「スズキ」

インドで開催された「Auto Expo 2023」にて、スズキEVコンセプト「eVX」が世界初公開された
インドで開催された「Auto Expo 2023」にて、スズキEVコンセプト「eVX」が世界初公開された

 まず取りあげたいのは「スズキ」だ。2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」において、ジムニー5ドアを世界初公開する前の1月10日、スズキはEV向けの2段変速機を、カナダにあるスタートアップ企業の「インモーティブ社」と共同開発すると発表している。

 EV用の2段変速機自体は、ポルシェが既に採用しているが、スズキに期待されるのは小型車、特に軽自動車への適用だ。EV向け電動駆動ユニットの性能向上に寄与する、独自設計の軽量・小型・高効率な二段変速機「IngearTM」を開発している実績がある、インモーティブ社。

 効率のいいモーター駆動による航続距離の延長、電動駆動ユニットの小型化によるコスト抑制、幅広い走行シーンでの走行性能の改善など、「手頃なゼロエミッションモビリティ」を目指していることからも、スズキ車との相性は良いはずだ。

 即座にスズキ車への適用があるとは限らないが、サクラ/eKクロスEVに対抗する、次期ワゴンRベースのBEVが2024年ごろ用意される可能性が高いとみている。できることならば、次期型スペーシアがベースのスーパーハイト軽ワゴンBEVが、ホンダ次期型N-BOX(この一部がBEVになると予測)よりも先に登場することを期待したい。

■超大物モデルのフルモデルチェンジが続々と!! 「トヨタ/レクサス」

2023年5月に登場するとみられる新型アルファード(画像はベストカーによる予想CG)
2023年5月に登場するとみられる新型アルファード(画像はベストカーによる予想CG)

 2023年もやはり、トヨタ/レクサスには、注目せずにはいられない。

 2023年5月ごろと予定されている新型アルファード/ヴェルファイアをはじめとして、新型C-HR、新型ランドクルーザープラドなど、2023年も超大物のフルモデルチェンジが続く予定だ。また、新型クラウンシリーズの第2弾「クラウンスポーツ」も登場するだろう。

 同時に、新車の納期が遅れに遅れている現状を、どう打破するのかも注目ポイントだ。ヴォクシーやカローラクロスのハイブリッド車は2年待ち以上という状況。販売計画の明るい見通しも含めた発表を期待したい。

■ようやくロータリー発電PHEVを登場させた「マツダ」

ロータリーエンジンを発電機とするプラグインハイブリッドモデル「MX-30 R-EV」
ロータリーエンジンを発電機とするプラグインハイブリッドモデル「MX-30 R-EV」

 ずいぶん前から、「ロータリーエンジン発電のレンジエクステンダーEVを出す」といっていたような気がするマツダだが、2023年1月13日、ブリュッセル・モーター・ショーにて、ロータリーエンジンを積んだMX-30の新型車、「MX-30 R-EV」がついに発表となった。

 17.8kWhのバッテリーと、排気量830ccのロータリーエンジンで発電する、プラグインハイブリッドシステムで、EV走行距離は85km(欧州WLTPモード)となる。燃料タンク容量は50Lとのこと。発売時期は未定だが、2023年内には日本導入の可能性も高いと予想している。

 2022年11月に発表した中期経営計画において、マツダが主要課題の一つに置いたのが「電動化」だ。2030年までを3つのフェーズに分け、現在は第2フェーズの新しいハイブリッドシステムの導入タイミングにあるという(今後、中国市場に専用車を投入予定)。

 第3フェーズでは、バッテリー専用車を本格導入し、電池生産への投資も視野に入れている。なお、2030年時点のグローバル販売における EV比率は25~40%を想定しているそう。攻める気満々のマツダの事業戦略、今後はどうなっていくのか、注目が必要だ。

■知らないのは日本人だけ!? 世界中で認められている韓国自動車メーカー「起亜」

2022年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した起亜 EV6
2022年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した起亜 EV6

 昨年2022年に日本再上陸を果たした韓国の自動車メーカー「ヒョンデ」。「IONIQ5」の出来の良さには驚かされたが、そのヒョンデと同じ以上に注目をしておきたいのが、韓国発の自動車メーカー「キア(起亜)」だ。

 そのなかでも、2021年3月にワールドプレミアされたBEV「EV6」が、とんでもなく評判がよく、なんと「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2022」も受賞している。

 ちなみに2位はルノー「メガーヌE-TECHエレクトリック」、3位は前出のヒョンデ「IONIQ5」だ。直近では、「北米カー・オブ・ザ・イヤー2023」ユーティリティー部門大賞も得ている。

 起亜が日本市場へ導入されるといった計画は、いまのところ聞かれない。いまや起亜は、世界中で知名度のある、一流の自動車メーカーだ。ひょっとすると、起亜の衝撃を知らないのは、日本人だけかもしれない。

■模倣からオリジナルへ!! 中国系自動車メーカー「吉利汽車(ジーリー)」

ジーリー傘下の自動車メーカー一覧。左上がジーリー。ボルボの他にもポールスター、ロータス、ジーリーの高級ブランド「LYNK&CO」、プロトンなどが傘下となっている
ジーリー傘下の自動車メーカー一覧。左上がジーリー。ボルボの他にもポールスター、ロータス、ジーリーの高級ブランド「LYNK&CO」、プロトンなどが傘下となっている

 1986年に創業したばかりの、中国発の新しい自動車企業である吉利汽車(以下ジーリー)。日本ではほとんど知られていないが、世界販売数ランキングにおいて、既に第16位にまで上げている新興メーカーだ。

 中国国内では、最大の民営自動車企業にあたり、持ち株会社であるジーリー・ホールディング・グループを中心とするグループの一員だ。ちなみにボルボとロータスもこの傘下となる。

ジーリーAUTOのフルラインナップ。コンパクトカー、セダン、ミニバン、クロスオーバーSUV、クーペSUVなど、多種多様。なかには丸パクリのようなクルマもいまだにあるが、ほとんどがオリジナルデザインとなる
ジーリーAUTOのフルラインナップ。コンパクトカー、セダン、ミニバン、クロスオーバーSUV、クーペSUVなど、多種多様。なかには丸パクリのようなクルマもいまだにあるが、ほとんどがオリジナルデザインとなる

 ジーリーには、「ジーリーAUTO」、ピュアバッテリーEVブランドの「Geometry」、高級車ブランドの「LYNK&CO」、そして、マレーシア向け「Proton Car」の4つのブランドがある。ジーリーAUTOは、圧巻のフルラインナップを誇り、コンパクトカー、セダン、ミニバン、クロスオーバーSUV、クーペSUVなど多種多様。

 中国国内での2021年販売台数は約133万台で、中国国内で、5年連続の首位となっている。ちなみに、中国の市場規模は、およそ年間2000万台(日本市場は年間500万台に届かない)。ラインナップの中には、丸パクリのようなクルマもいまだにあるが、それでも、これだけのラインナップをそろえているのには驚きだ。

 ジーリーについても、日本市場に導入されるような話は聞いたことがないが、やってこないとは限らない。中国産だからとなめてかかると痛い目を見かねない、注目しておいた方がいい自動車メーカーだ。

LYNK&COのコンセプトカー「The Next Day」。毒々しい色味だが、これほど挑戦的なデザインが日本車メーカーから出てくるとは考えられない
LYNK&COのコンセプトカー「The Next Day」。毒々しい色味だが、これほど挑戦的なデザインが日本車メーカーから出てくるとは考えられない

■まとめ

 我々日本人にとって、日本車は実に扱いやすい。それは、日本の道路環境や日本人の体格、生活習慣に特化して、つくり込んでいるためだ。

 そのため、「日本製こそが世界一素晴らしい」と思ってしまいがちだが、海外に目を向けると、決してそうとはいえない。特に、欧州自動車メーカーを超える勢いがある中国メーカー、韓国メーカーには注目しておいた方がいいだろう。

【画像ギャラリー】本文未掲載の写真多数!! MX-30 R-EV 起亜EV6 LYNK&COのコンセプトカー画像はこちら!(21枚)画像ギャラリー

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