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イギリスのトラス前首相が史上最短で辞任したことで、日本のメディアでは、目玉の減税政策が失敗に終わったとの論調が根強い。実は現地イギリスでも減税を否定的に評価する論調があった。

首相官邸を去るトラス氏(Number10/flickr)

イギリスの名門大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが運営する言論サイトは、トラス氏の就任前から減税政策に否定的な評価をしていた。

ジョンソン元首相が辞意を表明した直後、トラス氏やスナク氏らがその後継を争った保守党党首選が始まった7月には、金融学が専門のリバプール大教授による「次期首相が減税を約束する前に考慮すべきこと」とのタイトルの論考を掲載。そこでは「法人税率のさらなる引き下げは、リーダーシップを期待しているほど効果的ではない」などと牽制していた。

そしてトラス氏が辞任し、直近の減税に慎重な姿勢のスナク氏が後継に決まると、政治学が専門のエセックス大学教授が「減税が経済成長をもたらさないことを理解すべきだ」と率直な減税反対論をぶつけた。

他方、アメリカの政治言論サイト、ポリティコはトラス氏の辞任後、ノースウェスタン大学の社会学教授の論考を掲載。

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