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「メタバース」が脚光を浴びる昨今、それに影響されるようにMeta Quest2やPICO4 などのVRデバイスが注目を集めています。

VRデバイス向けのアプリ、とりわけゲーム分野ではゲーム制作会社が凌ぎを削っていますが、同時に趣味でVRゲームを開発する個人プログラマーの人口も増加しており、この傾向は今後ますます進展していくと思われます。

そこで、今回はゲーム開発エンジンの老舗といえる Unity について、どのようなツールなのか、何ができるのか、学習方法には何があるかついて解説したいと思います。

Unity に興味を持って、これからやってみたいなと思う方には必見です。

Unity とは

Unityは、サンフランシスコに本拠を置くビデオ ゲームソフトウェア開発会社 Unity Technologies が開発したゲームエンジン(=ゲーム開発に特化した開発ツール)です。

日本法人としてユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社が設立されており、Unityを使った開発者向けにのオリジナルキャラクター「ユニティちゃん」が無料配布されており、2D、3Dどちらのゲームでも自由に使えるようになっています。

Unityでできること

Unityは2D/3Dのどちらのゲームも開発することが可能なのですが、CADで作成された建築データや自動車の設計データから実写近い3Dモデルを生成できるため、建築業界や自動車業界のシミュレーション用途でも利用されています。

また、映像作品にも利用されており、2016年にはロボットが登場する「ADAM」という短編映画、2020年9月には父親と娘の愛情をテーマにした短編アニメ「WiNDUP」が公開されています。

最近では映像のリアルさが更に進化し、実写の映像と見分けがつかないくらいの高品質な画像が生成できるようになりました。

この様に、Unityは単なる2D/3Dのゲーム開発に留まらず、幅広い活用がされています。

Unityの費用

個人で使う場合、Unityは無料で利用できます。

2022年11月現在におけるプラン(ライセンス体系)は次の通りです。

プラン 利用対象 価格/年 内容
Student 個人 無料 基準を満たした教育期間に在学中で、個人情報の収集と取り扱い
に同意できる 16 歳以上の学生
Personal 個人 無料 収入ならびに資金調達(自己資金を含む)の過去12ヶ月の合計が
年間 10 万ドルを超えない場合
Pro チーム 267,960円 プロフェッショナル向けの機能提供、テクニカルサポート
Plus チーム  48,394円 小規模企業、又は個人開発者向けに、
プロジェクト運用機能、トレーニングのサポートを提供
Industrial Collection 企業 389,400円 製造業向け機能(CAD、および設計ソフトウェアと連携など)
Enterprise 企業 要問合せ 大規模企業向けのサポートを含むライセンス契約

無料版は有料版に比べて一部機能の制約はあるものの、通常のゲーム開発においてはほとんど支障はありません

Personalプランにおいて、10万ドルは1400万円(2022年11月の為替レート)であるため、個人で使うレベルで超えることはまず無いでしょう。

逆にあったら嬉しい限りですね!

その他の特徴

Unityは、今までに説明した以外にも次の特徴があります。

  • マルチプラットフォームに対応
  • 充実のアセットストア
  • C#によるゲーム開発
  • ノンプログラミングによるゲーム開発

では1つづつ見ていきましょう。

マルチプラットフォームに対応

以下の表の通り、25を超える様々なデバイスに対応しています。

パソコン Windows、Mac、Linux
スマートフォン/タブレット iOS、Android
ゲーム専用機 PlayStation4/5、Xbox/ONE、Wii U、任天堂Switch、他
VR/AR/MRデバイス Oqulus Rift、Meta Quest1/2、Hololens1/2、PICO3/4、他

充実のアセットストア

ゲームを作成する上で必要となるキャラクタや、車や建物、家具などの2D/3Dモデル、様々な質感を表現するマテリアルデータが、無料/有料含めて数多く用意されており、これらはアセットストアと呼ばれるサイトから入手が可能です。

C#によるゲーム開発

銃の弾丸が飛ぶ、重力に従って物が落下する、壁にぶつかるとそれ以上進めなくなる、など物理法則の適用や、音楽や動画などのコンテンツ再生、光の反射や映り込み処理はどはUnityが処理してくれます。

しかし、それらを組み合わせてゲームをプレイするための手順、例えばキーボードやコントローラーの入力、キャラクタの移動、キャラクタのアニメーション、弾丸が当たった時の処理などは、C#と呼ばれる言語で記述する必要があります。

プログラミング言語と、ある程度の物理法則を学ぶ必要があるため敷居は高くなりますが、きめ細かい制御が可能であり、また様々なサイトに掲載されているソースコードを簡単にコピーして使えるなどのメリットもあります。

ノンプログラミングによるゲーム開発

引用元:Unity公式サイト

Unity 2018.4.24 以降のバージョンから、BOLT と呼ばれる機能を追加することで、マウスのドラッグ&ドロップ操作だけでゲームの処理を記述できるようになりました。

BOLTはアセットストアからダウンロードの上、インストールする必要はありますが、プログラミングの敷居が高いと感じる利用者にとっては、協力なツールになります。

Unity を学習するには

ここからは、Unityでゲームが作れるようになるための方法について紹介します。

独学で身に付ける

Unityに関する情報はYouTubeやブログで数多く掲載されていますので、もちろん独学は可能です。

このサイトでも基本的なことは解説していきますので、大いに参考にして頂ければと思います。

ただ、無料で手に入る情報は断片的なものが多いため、体系的に学ぶことが出来ません。

特にゼロから始めるのであれば、知っておくべきことを知らなかったために、遠回りしてしまうことも少なくありません。

本格的に勉強したいのであれば、例えばこちらに掲載されている入門書の中から、自分の用途に合わせて購入するのが近道です。

有料サイトで学ぶ

少し費用は掛かりますが Udemyで自分に合った講座を探して受講するという方法があります。

Udemyで「Unity」と検索すると、2022年11月現在で 5799件の講座がヒットします。

Udemyの講座は動画視聴のみですが、一般のプログラミングスクールと違ってピンポイントで必要な講座が受講できます。

1講座当たりの時間は十数時間、価格は1万円~3万円が相場になっていますが、毎月何らかのセールが開催されているため、定価よりかなり安く受講できる場合も多いです。

特に11月後半~12月前半にかけては90%引きという大幅値引きがされますので、次期を見計らって受講すればかなりお得です。

侍エンジニアでは月額2,980円~で質問し放題のサブスク型スクールを提供しており、こちらを利用することで格安で学ぶことが出来ます。

40種類の教材が学習し放題で、月に1回以上のオンラインレッスンが受講でき、掲示板でのやり取りにはなりますが、質問し放題という充実のサポート付きなので、短期集中で勉強すれば費用をかなり抑えられるでしょう。

まとめ

今回はゲームエンジン Unity について、どのようなツールか、何にができるか、勉強方法は何かについて紹介しました。

Unity は無料で誰でも始められ、動作するプラットフォームもパソコン、スマホ、ゲーム専用機、VRデバイスと幅広くサポートされています。

MetaQuest2やPICO4などのVRデバイスで自作ゲームを作ってみたい人には最適なツールですので、是非チャレンジしてみてください。

もし就職や転職を考えているのであれば、趣味が実益になることも夢ではありませんので、やっておくなら今のうちです。

この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。