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 高そうに見えるけど実は激安だった! そんな激安外車を探っていく本企画。豪華で見栄を張れるんだったら激安車でもいいじゃないか! いったいどんな車種があるのか、見ていこう!

文/ベストカーWeb編集部
写真/ベストカーWeb編集部

■メルセデスベンツSクラス(W221型):2005年10月~2013年9月、中古車平均価格=159万円

W211型S350。切れ長のヘッドライトが特徴

 え、ベンツSクラスが70万円! と思わずのけ反ってしまう人がいるかもしれない。2005年10月にデビューしたW221型Sクラスは、切れ長のヘッドライトにオーバーフェンダーが特徴で、その存在感、完成度からいってもいまだに色褪せないモデルである。

 ロングボディのS500やS600があるが、おススメはショートボディのS350。パワートレインは3.5L、V8エンジンと、7速ATを組み合わせるが、Sクラスならではの上質な乗り心地と、しっかりとしたステアリングフィールはさすがフラッグシップと唸らせる。

実にすっきりとしたSクラスのインパネ

 W221型は、ステアリング横にあるシフトレバーや、運転席に座り、目に飛び込んでくるコクピットデザインの新しさに発売当時目を奪われ、いつかは乗ってみたいと思ったものだが、いまやこんなに安いとは隔世の感がありますね。

 現在、大手中古車サイトでは、最低価格は53万円だが、70万~80万円台は10台以上もあり、なかなか魅力的。中古車平均価格は159万円で、なるべく高年式で走行距離の少ない程度のいいものは100万円台後半になってくる。走行距離は10万~13万kmのものが多いが、年式相応で極端な過走行=値段が安いというものではない。

前後フェンダーの盛り上がりも迫力満点

 しっかりディーラーでの整備記録簿が残っているものを選びたいが、そうなると当然価格も高くなる。価格と程度の兼ね合いが非常に難しいが、地道に探して、程度のいい“アタリ”のクルマに出会えたらラッキーだ。

 ただし、Sクラスの新車価格は987万~2115万円。ということは、トランスミッションや電気系などが壊れたら、部品代や整備代が高くなるのは当然のこと。そのあたりを覚悟して乗ってもよし、逆に壊れたっていいじゃないかと割り切るのもありだろう。

■BMW7シリーズ:2001年10月~2009年2月、中古車平均価格=64.4万円

クリス・バングル氏による7シリーズのデザインは世間をあっといわせた

 ベンツSクラスとくれば、BMW7シリーズを外しちゃいけないだろう。Sクラスとは趣が少し違い、巨大サルーンとはいっても路面からのステアリングフィールがリニアに伝わってくるハンドリングカーである。

 そしてなんといっても、凄いところはデザインだろう。2001年のデビュー時、BMWデザイントップのクリス・バングル氏による、鯨のようなフォルムは世界を驚かせた。

2005年のマイナーチェンジで、手直しされた

 しかし、賛否両論をよんだこともたしかで、2005年には、フロントマスクを中心に改良され、実に大人しい普通のデザインになってしまった。今に通じるi-Driveや3.6L、4.4LのV8バルブトロニックエンジンなどデザイン意外にも革新=BMWを定着させたモデルである。

 そのクリス・バングルデザインの7シリーズが、いまや38万円、50万円という激安価格で買えるのだからビックリ。しかも中古車大手検索サイトの中古車流通台数はたったの9台! 

 ちなみに中古車平均価格は64.4万円。ある意味、歴史的な意義のあるモデルがこんなに安くていいの? という感じもする。フロントマスクが普通になってしまった2005年5月以降の後期モデルは70万円~。

 2001年10月登場ということで、実に20年前のモデルだから、壊れるのは当然心配だろう。エンジンやトランスミッション、電装系の整備歴をしっかり見たうえで購入を決めたい。

■BMW X5:2007年6月~2013年10月、中古車平均価格=144.5万円

キープコンセプトの2代目モデルながら非常に完成度が高い

 BMWのスポーツアクティビティヴィークル(SAV)として登場した、X5。初代モデルの登場は、2000年10月だが、今回紹介するのは2007年6月に登場した2代目X5。

 初代からのキープコンセプトだが、2代目となりさらに熟成され、BMWらしい、スポーツ走行も楽しめるSUVとなっている。3L、V6エンジンでもかなりスポーティに走ることができ、上質な乗り心地と高いハンドリング性能を両立させているところが魅力。

 発売当時の新車価格は753万~1123万円。中古車平均価格は144.5万円である。2008年式で75万~89万円、2010年式以降となると100万円前後~120万円台となる。

 見た目の存在感や走りのよさを考えると2代目X5が100万円ほどで買えるというのは感慨深いものがある。

まだまだ古臭くないX5のコクピット

■メルセデスベンツEクラス(W211型):2002年6月~2009年4月、中古車平均価格=74.2万円

2002年に登場したW211型Eクラス

 個人的にはこのW211型Eクラスが今回の企画で一番のお気に入り。もちろんW124型もいいが、このW221型も完成度が高く、丸目四灯ヘッドライトやボディの作りなどは、メルセデスらしい実に秀逸なモデルである。

 当時の新車価格は636.3万~1065万円。それがいまや50万円台から流通しているのだから、当時を知る筆者からしてみれば驚きである。

 しかも走行距離は3万㎞台で、2006年8月にフロントグリルやバンパー、ヘッドライトを小変更した後期型のE300でも走行距離は3万㎞台で約60万円と、思わず唾を飲み込んでしまうほど欲しくなってしまった(現車を見たわけではないのでなんともいえないが……)。

上質で高級感に溢れるEクラスのコクピット

 なお、日本のポスト新長期規制に適合した2008年モデル以降のE320CDIについては流通台数は1台で、走行距離9.6万kmで価格は74万円。直4ディーゼルターボにはない、トルク感の豊かさとV6のディーゼルターボエンジン独特のフィーリングは素晴らしかったのを記憶している。

 現実的には後期型のE300、走行距離3万㎞台で、60万~80万円といったところ。W211型に限っていえることなのかわからないが、走行距離が年式の割には5万㎞以下のクルマが多い。あまり乗らず大事にされてきたのか、車庫に放ったらかしのクルマなのか不明だが……。

2006年のマイナーチェンジで、ヘッドライト、グリル、バンパーなどのデザインを変更

■ポルシェカイエン:2010年3月~2017年11月、中古車平均価格=389.2万円

ベースグレードのカイエン。300psの3.6L、V6を搭載する

 最後にポルシェのなかで、見栄を脹れて激安のクルマはないのか調べてみた。真っ先に思い浮かんだのは、水冷エンジンとなった1998~2004年までのいわゆる涙目のヘッドライドを持つ996型911。

 しかし、最近中古車価格が上昇傾向にあり、ティプトロニックの前期型で298万円からというイメージだから、激安っていうほどでもないだろう。

 目を付けたのは、SUVのカイエン。さすがに50万~100万円で流通している、2002年~2010年までの初代カイエンは古すぎる。ということで、2010年3月~2017年11月まで販売されていた2代目カイエンの流通価格を調べてみると、2011年~2012年モデルが198万~230万円で流通している。走行距離は4万㎞ほどになると280万~300万円前後となってしまうが、内容を考えるとお買い得。

 パワートレインは、ベースグレードのカイエンが300psの3.6L、V6、カイエンSは400psの4.8L、V8、カイエンターボは500psの4.8L、V8ターボ(いずれも2014年のマイナーチェンジ前)。

 SUVといえども、ポルシェらしいパワーフィールとロールが抑えられたスポーティな足回りとボディ剛性感が、200万円前後から購入できるというのはかなり魅力的ではないだろうか。ベンツやBMWと違って、超激安ではないかもしれないが、おススメの1台である。

斬新なデザインのカイエンのコクピット。

 みなさん、いかがだっただろうか。まだまだたくさんあって紹介しきれないのが本音だがあまり長くなっても……、ということで最後の最後に、“見栄え対効果”という観点から見てもF30型先代3シリーズをおススメしておこう。

 初期モデルの2012年~2013年式は70万円台からあり、320iや320dなどグレード問わず流通台数も豊富なのでじっくり選べるのもポイント。まだまだ古臭く感じず、見た目はとても100万円のクルマには見えないのでおススメだ。

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