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<p>ターミネーター2の「T-1000」のように体を液状化させて牢屋から脱出できるロボットが登場 – ライブドアニュース</p><p>【磁石で移動】体を液状化させ牢屋から脱出できるロボット、中国&アメリカ研究チームが開発 医療分野以外に、回路修理の際に送り込んだロボット自体を融解させて導体やはんだとして機能させたり、ネジを所定の位置に固定するために利用したりできると考えられる。</p><p>映画「ターミネーター2」に登場する未来のアンドロイドT-1000は液体金属製の体を持ち、液状化してさまざまな形状に変化することが可能です。そんなT-1000のように、自らの体を液状化して牢屋(ろうや)の中から脱出で</p><p>きるロボットを、中国とアメリカの研究チームが開発しました。 Magnetoactive liquid-solid phase transitional matter: Matter https://doi.org/10.1016/j.matt.2022.12.003 Watch this person-shaped robot liquify and es | EurekAlert! https://www.eurekalert.org/news-releases/977155 Real-life 'Terminator 2' robot can melt to escape jail, then solidify on command | Live Science https://www.livescience.com/terminator-2-robot-inspired-by-sea-cucumbers Scientists Create Shapeshifting Humanoid Robot That Can Liquefy And Reform : ScienceAlert https://www.sciencealert.com/scientists-create-shapeshifting-humanoid-robot-that-can-liquefy-and-reform 小型ロボットは細かい部品の修理作業や薬物の送達など、人間の手や従来のツールでは難しいさまざまなタスクを実行する潜在的用途があります。しかし、ロボットの材質が硬い素材であれば限られたスペースや狭い場所での活動に最適ではなく、逆に柔らかすぎると作業に必要な力が得られず、制御も難しいといった問題があるとのこと。 そこで中国・中山大学の機械工学研究者であるChengfeng Pan氏らの研究チームは、液体状態と固体状態を自由に行き来する能力をロボットに与えるため、海に生息するナマコやタコに目を向けました。ナマコは体組織の硬さを変化させることで負荷容量を改善し、物理的な損傷を回避できるほか、タコはカモフラージュや物体の操作、移動のために腕の剛性を変化させられます。 これらの動物と同じことをロボットでも可能にするため、研究チームはガリウムという金属に着目しました。ガリウムは融点がセ氏29.8度と人間の体温よりも低く、手で持っただけで液体になるという特徴を持っています。研究チームは液体ガリウムに磁性ネオジム・ホウ素・鉄を埋め込んで固化させた「Magnetoactive phase transitional matter(MPTM/磁気活性相転移物質)」という材料を開発。MPTMは高い機械的強度や優れた制御性を持ちながら、温度によって固体から液体へ、あるいは液体から固体へと変化させることができるとのこと。 研究チームの一員であり、アメリカのカーネギーメロン大学で機械工学を研究するCarmel Majidi氏は、「MPTMの磁性粒子には2つの役割があります。1つは材料を交流磁場に反応させて誘導加熱を引き起こし、相変化を引き起こすことです。磁性粒子はまた、磁場に反応することでロボットに動く能力を与えます」と述べています。 実際に研究チームがMPTMの移動性や強度をテストしたところ、磁場を利用して塀を乗り越えたり、半分に分かれてから再び合体したりできることが確かめられました。以下の動画を見ると、MPTMで作られた小さな人型ロボットが牢屋に入れられた状態から解けだし、格子の隙間から外に移動し、体を復元させる様子を確認できます。 研究者が開発した人型ロボットが液状化して牢屋から抜け出す様子 – YouTube 格子の向こう側に見えるのが、MPTMで作られた小型ロボット。 磁石を用いて移動させることができます。 さらに、交流磁場に反応させて誘導加熱を引き起こすことにより、体を解かすことが可能。 液体化した状態で移動させ、牢屋の外に体を脱出させました。 牢屋の外に出た液体を鋳型に流し込むと、ほとんど元通りに体が復元されました。 また、研究チームは胃を再現した模型の中に入れた物体をMPTMを用いて回収し、胃の外に排出するというデモンストレーションも行っています。 研究者が開発したロボットが胃の中から異物を取り出す様子 – YouTube 胃の中に緑色の物体と、四角い形状のMPTMが入っています。 磁力でMPTMを物体のそばに移動させ、誘導加熱で解かします。 解かした状態で物体の上に覆いかぶせ、そのまま自然冷却することで再び固体化。 固体となった状態で移動させることで、物体を胃の外に排出できます。 MPTMを利用することで、誤飲したボタン電池を体外に排出したり、逆に薬物を送達したりできる可能性があります。また医療分野以外でも、研究チームは回路修理の際に送り込んだロボット自体を融解させ、導体やはんだとして機能させたり、ネジを所定に位置に固定するために利用したりできると考えています。しかし、これらの機能を現実世界で実行するためにはいくつかの改善を行わなくてはなりません。たとえば、純粋なガリウムの融点は人の体温より低いため、生物医学目的で使用するためには、機能を維持しつつ融点を上げるガリウムベースの合金が必要です。 Majidi氏は、「今後の研究では、これらのロボットを生物医学の文脈でどのように使用できるかをさらに調査する必要があります。私たちが示しているのは1回限りのデモンストレーションや概念実証にすぎませんが、これが実際に薬物送達や異物の除去にどのように使用できるかを掘り下げるには、さらに多くの研究が必要です」と述べました。</p>