新たな技術規則が導入され、前年までとはまったく異なるマシンが誕生した2022年シーズンのF1。マシンの特徴やシーズン中のアップデート、ドライバーのパフォーマンスなどから、各チームの戦力を振り返る。初回となる今回は、コンストラクターズ選手権8位のハース、9位のアルファタウリ、10位のウイリアムズだ。
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2021年のハースはチーム史上最悪のシーズンだった。獲得ポイントはチーム創設以来初となるノーポイント。コンストラクターズ選手権も初めて最下位となる屈辱を味わった。ただし、2022年はチーム史上3番目に多くの37点を獲得し、コンストラクターズ選手権でチーム史上最高位だった2018年の5位に次ぐ、7位となった。
ハースの2022年マシンであるVF-22は、フェラーリの解釈に近い発想でデザインされたサイドポンツーンが特徴だ。多くのチームがサイドポンツーンの下面を利用するのに対して、ハースはサイドポンツーンの上面を利用して後方への空気の整流を行っている。
このVF-22のステアリングを握り、2022年にハースの躍進を後押ししたのが、2020年以来2年ぶりの復帰となったケビン・マグヌッセンだった。第21戦ブラジルGPの予選Q3でのアタックは、チームの的確な判断があったことは確かだが、それを忠実に成し遂げるテクニックがなければ実現できなかった。
そのハースとシーズン終盤にコンストラクターズ選手権8位争いを演じたのがアルファタウリだった。AT03は「低速コーナーでのパフォーマンスは悪くないが、フロントの高速ダウンフォースに欠ける」(角田裕毅)と言うドライバー泣かせのマシンだった。その最大の要因は、独特なノーズとフロントウイングにあったと考えられる。
AT03のフロントウイングのメインプレートは、メインプレートがノーズの両サイドにマウントされたいわゆるハイノーズタイプとなっていた。これを採用したのは新世代マシンのなかではアルファタウリとアストンマーティンの2チームだけのマイナーな仕様だった。加えてアストンマーティンが2戦目に変更したのに対して、アルファタウリは11戦目のオーストリアGPまで使用し続けた。
開発の方向性とアップデートに失敗すれば、低迷するのは当然で、コンストラクターズ選手権9位は2018年以来、獲得ポイント35点も2018年の33点以来の低い点数となった。そのなかでドライバーズ選手権で格上チームのアルファロメオの周冠宇とアストンマーティンのランス・ストロールを上回ったピエール・ガスリーはさすがと言える。
最後は2022年のコンストラクターズ選手権10位のウイリアムズ。昨年23点を稼いで2017年以来3年ぶりに最下位を脱出したものの、2022年は8点にとどまり、再び最下位へ転落した。ただし、1点の2019年、0点の2020年と異なり5回という複数回の入賞を果たしているように、ポテンシャルは決して低くない。後半戦にはポイントゲッターのアレクサンダー・アルボンが体調不良に見舞われるという不運もあった。低迷の原因となった当初、採用していたゼロサイドポッドのコンセプトは第10戦イギリスGPから変更。新シーズンに賭ける。