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火ひ消けし壺つぼ父の世の闇蔵したる 終戦時、満州からの引き揚げの苦労を作者から聞いた。大学での同期の友人である詩人清水哲男が作者の家庭が父を尊敬し、すばらしかったと褒めている文章を読んだ。 上掲句の「父の世」からふと、囲炉裏いろりの父の座の脇に置かれた火消壺を思い浮かべたのである。…