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 初代デリカ登場以来、55年間磨き続けてきた独創性を、日本が誇る「軽自動車」のパッケージングに込めた三菱新型軽自動車デリカミニ。2023年5月発売予定で、全国の三菱自動車販売店にて予約注文受付中です。

文/ベストカーWeb編集部、写真/三菱自動車

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■コンセプトは「デイリーアドベンチャー」

 クルマは「趣味のもの」か「実用品」かと、新型車を前にするといつも考える。特に近年のクルマの進化の早さを考えると、よりいっそうこのふたつの側面のどちらに軸足を置くべきか、議論が加速している。

  答えは「両方」だ。クルマは趣味のものであり、実用品でもある。どちらかがどちらかを犠牲にすることなく、より高次元で趣味性と実用性を両立させることこそが、あらゆる自動車開発者の目標だった。だからこそ自動車は、日本が誇る文化たりえた。

新型デリカミニ T Premium(4WD)/全長×全高×全幅=3395×1475×1830mm、ホイールベース2495mm、車両重量1060kg
新型デリカミニ T Premium(4WD)/全長×全高×全幅=3395×1475×1830mm、ホイールベース2495mm、車両重量1060kg

 今回世界初披露された三菱自動車の新型軽自動車デリカミニは、こうした「趣味性と実用性の高度な融合」の、ひとつの頂点といえる。

「デイリーアドベンチャー」、今回のデリカミニのデザインコンセプトとなるフレーズであるが、まさにこの言葉こそが、趣味性と実用性の融合を示している。

■唯一無二の個性と最強のパッケージングの融合

「デリカ」は、言うまでもなく三菱にとって、いや日本自動車界にとって、世界に誇る一大ブランドである。ミニバンの利便性とSUVの頑強さを兼ね備えた、唯一無二の個性を持つ大看板。それは1968年の初代デリカ登場以来、パリ・ダカや世界ラリー選手権を舞台にして走り続けてきたことや、全国の三菱自動車販売店がコツコツと積み上げてきた信頼感が土台にあって、多くのアウトドアユーザーが実際にデリカシリーズに乗って、走って、楽しんで築き上げられたものだ。

「デリカらしさ」を強調したスタイリング。大径タイヤを装着することでリフトアップ(4WD車のみ)
「デリカらしさ」を強調したスタイリング。大径タイヤを装着することでリフトアップ(4WD車のみ)

  そうした背景を持って、デリカミニは、日本が誇る究極のパッケージング技術を持つ軽スーパーハイトワゴンとして登場した。広大な室内とガラス面積、ベンチシート、両側スライドドアなど、ベストセラージャンルとして練りに練られたこのカテゴリーは、現在日本自動車市場において最も充実した、それゆえ各社のエースモデルが出揃うジャンルとなっている。そこに、本格SUVで実績のある三菱が、「本命」を送り込んできたわけだ。

   ボディは大径タイヤを装備することでリフトアップし(4WD車のみ)、アウトドア感あふれる専用ボディを持つ。

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■「本家本元」の三菱の「本命」が登場

 もともとデリカシリーズは、1BOX~ミニバンという国内有数の激戦ジャンルで地歩を築いてきた来歴を持つ。だからこそこのデリカミニも、軽スーパーハイトワゴンという激戦区において唯一無二の魅力と実力を背景にした多くのファンを獲得し、満足させてくれるにちがいない。

「デリカ」はもともと「デリバリーカー」の略。1968年の初代デビューから、2023年は55周年となる。長い伝統を持ち、家族や仲間を支えてきた名車
「デリカ」はもともと「デリバリーカー」の略。1968年の初代デビューから、2023年は55周年となる。長い伝統を持ち、家族や仲間を支えてきた名車

  デリカシリーズの魅力といえば、なんといってもアウトドア志向といえる。クロカンブームの始祖ともいえるパジェロの大ヒットを受けて、三菱自動車は「アウトドアに強い」というイメージがある。デリカスターワゴン、スペースギア、そしてD:5の信頼は厚い。

  折からキャンプブームが到来しており、多くのメーカーからさまざまなジャンルで、いわゆる「アウトドアっぽい仕様」が登場しているが、このジャンルの本家本元というべき三菱自動車は、中途半端なモデルは用意しない。だからこそデリカミニへの期待は揺るぎない。

 発売は2023年5月を予定。楽しみでならない。

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■広い室内と高い使い勝手はスーパーハイトワゴンの真骨頂

 歴代デリカがなぜ人気となるのか? その答えはひと目でデリカとわかるタフな外観と走破性だけではない。汚れや傷を気にしないタフで使い勝手のいいシートやラゲッジ、そして多彩な収納スペースはファンの気持ちをつかんできた。

機能的で操作性のいいコックピット周りは、乗るほどに手になじむもの。随所にギア感覚にあふれている
機能的で操作性のいいコックピット周りは、乗るほどに手になじむもの。随所にギア感覚にあふれている

 新型デリカミニもそのタフで使い勝手のいい「道具感」を受け継いでいる。コックピットは外観同様、シンプルながら力強いもの。大きめのステアリングホイールやシフトノブは手になじみ、9インチのモニターとコックピットにレイアウトされたスイッチ類も扱いやすく、信頼できるギアを扱うように操作しやすい。

 そしてとにかく室内が広い。軽スーパーハイトワゴンの本領を遺憾なく発揮している。軽自動車という限られたサイズのなかで、広大な室内長、室内幅、室内高を獲得し、特に室内高はクラストップレベルの圧倒的な開放感を乗るものに印象付ける。大型スライドドアもクラス最大級の開口部を持ち、開放感あふれる室内へ誘う。

リアシートは320mmのロングスライドが可能。大きめのシートは大きなくつろぎを提供してくれる
リアシートは320mmのロングスライドが可能。大きめのシートは大きなくつろぎを提供してくれる
フロント、リアシートとも高い通気性を持つはっ水加工がされ、雨や雪の日の乗り込みにも不快な思いをしなくてすみ、汚れも簡単に落ちる
フロント、リアシートとも高い通気性を持つはっ水加工がされ、雨や雪の日の乗り込みにも不快な思いをしなくてすみ、汚れも簡単に落ちる

■アウトドアシーンで活躍する

 リアシートも最大のスライド量を確保しており、最も前に出して荷室のスペースを稼いでもリアシートはゆったり座れ、逆に最も後ろにした時のスペースは、2Lクラスミニバンのセカンドシートを凌ぐほどだ。

 広々とした室内空間は乗るだけではなく、車中泊などにもぴったり。リアシートをたためば広大なスペースが生まれ、マットを敷けば快適な車中泊が楽しめそうだ。車中泊の魅力は何といってもその自由なところ。魚を釣るにしても山に登るにしても、できるだけ目的地にアプローチできれば、その分アクティビティを楽しむ時間が増える。

センターコンソールやインパネはデザイン性に加えて、機能性を優先したもの。ポケット類も使いやすい
センターコンソールやインパネはデザイン性に加えて、機能性を優先したもの。ポケット類も使いやすい

 しかもデリカミニのシートは、通気性にすぐれたはっ水加工が施されていてダウンジャケットのように雨や雪の日も不快な思いをしなくていい全天候型。また汚れてもさっと拭き取れ、耐久性にも優れるPVC(塩化ビニール)仕様の後席シートバックと樹脂仕様のラゲッジボードが選べるから、気兼ねなくラゲッジを使えるのがうれしい。またキャンプや釣り、スキーなど、アウトドアのアクティビティに汚れはつきもの。そんな汚れ物は、ラゲッジアンダーボックスに収納することもできる。

 デリカミニの広さと使いやすさは、さまざまなアウトドアシーンで真価を発揮するはずだ。

リアシートはワンタッチでたため、大きなスペースが簡単に手に入る。樹脂仕様ラゲッジボードとPVC(塩化ビニール)仕様の後席シートバックによって汚れを気にせずラゲッジにガンガンモノを載せられる
リアシートはワンタッチでたため、大きなスペースが簡単に手に入る。樹脂仕様ラゲッジボードとPVC(塩化ビニール)仕様の後席シートバックによって汚れを気にせずラゲッジにガンガンモノを載せられる

■祝・生誕55周年!! 唯一の世界観を持つ「デリカの歴史」

 デリカのルーツは1968年に誕生したデリカトラックに始まる。丸目2灯と丸みを帯びたデザインが印象的だった。翌年デリカワンボックスが誕生し、デリバリーバンとして人気を博すようになる。1979年誕生の2代目はボクシーなボディとなり注目は乗用モデル、デリカスターワゴンが誕生したことだ。このデリカスターワゴンこそ、今に至るデリカシリーズの源流だ。

デリカファミリーの系譜
デリカファミリーの系譜

 1982年国産ワンボックス初となる4WDがラインナップされ、ディーゼルが大人気となる。1986年誕生の3代目のデリカスターワゴンは、デフロック可能なパジェロ譲りの4WDを採用。アウトドアブームを牽引していく。1994年にはデリカスペースギアが誕生し、スーパーセレクト4WDによる悪路走破性と広い室内、豪華な装備で人気を博した。

誕生から55年、デリカのエッセンスを盛り込んだモデルがデリカミニ
誕生から55年、デリカのエッセンスを盛り込んだモデルがデリカミニ

 2007年にはフルモデルチェンジをして、デリカD:5として登場、デリカらしい四角いボディとパワフルなクリーンディーゼルエンジンによって唯一無二の存在となり、2019年ビッグマイナーチェンジを受け今に至っている。デリカが培ってきた使い勝手のよさや走破性の高さは、デリカミニに脈々と受け継がれている。

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