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電気電子系の勉強を行う上で、昔学校で習った数学の知識が微妙に必要なことがありますので、せっかくだから少し詳しく学び直し、まとめてみました。
『なんでその定理が成り立つのか』という理由まで調べてみたものもあったりなかったりします。

今回は、「10のn乗」についての説明です。

1.10のn乗?

乗数というものをご存じでしょうか?
10×10のような同じ数の掛け算を102(10の2乗と読む)のような形式で表すアレです
10をn個掛けると10nになるというアレです
冪(べき)乗とも呼ばれています。

今回は、そんな10の乗数を表す記号と読み方についてまとめました。

2.普段使いされている単位

10の乗数なんて気にしたことがないかもしれませんが、日常生活で結構普段使いしています。
例えば、長さの単位にmm・cm・m・kmを使いますよね?
あれは、長さの単位である”m”に10のn乗を表す記号がくっついた形になっています
つまり、“10のn乗を表す接頭語+単位”の形になっているんですね。

他にも以下のようなものがあります。

GB → 接頭語”G”+単位”B(バイト)”
hPa → 接頭語”h”+単位”Pa(パスカル)”

どこかで見たこと・聞いたことがあるのではないでしょうか?

GBは携帯の契約で見かける『月々10ギガ使い放題!』といった売り文句の”ギガ”です。
“ギガバイト”を単に”ギガ”と略していることが結構ありますね。
一般的に”メガ”や”ギガ”とあると『なにか多いんだろうな』というふんわりとしたイメージを持つかと思うので大体意味は伝わるかと思います。
メガ丼とかメガマックとか商品名にもあるしね。

hPaに関しては気圧を表しているので天気予報でしれっと見かけているはずです。
義務教育の理科とかでも出てきたんじゃないかな?忘れたけど。

このように、あまり意識していないだけでそこら中に10のn乗の概念は存在しているのです。

3.接頭語と記号と読み方

では、10の乗数を表す記号と読み方の一覧を載せていきます。
以下に示す表に出てくる接頭語や記号は国際単位系という世界共通で通用する単位と併用して使用します。

接頭語 綴り 読み方 10のn乗
Y yotta ヨタ 1024
Z zetta ゼタ 1021
E exa エクサ 1018
P peta ペタ 1015
T tera テラ 1012
G giga ギガ 109
M mega メガ 106
k kilo キロ 103
h hecto ヘクト 102
da daca デカ 101
接頭語 綴り 読み方 10のn乗
d deci デシ 10-1
c centi センチ 10-2
m milli ミリ 10-3
μ micro マイクロ 10-6
n nano ナノ 10-9
p pico ピコ 10-12
f femto フェムト 10-15
a atto アト 10-18
z zepto ゼプト 10-21
y yocto ヨクト 10-24

これらの接頭語のことをSI接頭語と呼びます。
SI接頭語は20種類あり、大半が聞き覚えがあるはずです。

個人的には±18乗辺りから見たことも聞いたことも無い領域でした。
まあ、普段使いしなければ知っているわけないですからね。
これを見ていて思い出したのは、『”dB(デシベル)”という単位の”d”もそういえば接頭語だったな』という記憶です。
教科書で勉強していただけでは”dB”という単位は出てきても”B(ベル)”という単位の説明は出てきた覚えがないんですよね。
同じような勘違いしていた人多いんじゃないかな?

それにしても、10-24が”y”に対して1024が”Y”になっていたり、テラ→ペタ→(エクサ)→ゼタ→ヨタのように後ろに”タ”が付くようになっていたりと何かしらの法則性があるように見える部分はあるのに何か釈然としない構成になってますよね。
“エクサ(exa)”→”エタ(etta)”、”アト(atto)”→”エト(etto)”にするだけでも結構スッキリする気がするんだけどなー(妄想)
まあ、何か理由があるのでしょう。

ちなみに、長い歴史の中で自然と定まって併用されるようになったものであって、国際単位系で定められているというわけではない…といった記述を見かけたことがあるのですが、色々調べると普通に国際単位系で定められている気がします
普通に使う分にはどちらでも問題ないので、気にしないようにしましょう。

国際単位系について詳しく知りたい場合は以下の記事ご覧ください。

…数学のカテゴリにしたけど、規則のカテゴリにも掠ってるのでこういう時に困るんですよね。

以上、「10のn乗」についての説明でした。