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仲麻呂は王維に従って歩きながら、『魏略』のことを考えていた。王維がすり替えたのだとすれば、屈託がなさすぎる。ここまで自然に振る舞う術を身につけているのか、もはや過去のことだと水に流してしまったのか……。 それとなく観察し、答えを求めて考えを巡らすのは、長年用間(ようかん)(スパイ…