1月25日、FIA F2やFIA F3などに参戦するイギリスのカーリンは、ニュージーランドに拠点を置くハイパフォーマンス自動車メーカー『ロダン・カーズ』の創業者デビッド・ディッカーが新たな大株主となり、チーム名を『ロダン・カーリン』へ改めたことを明らかにした。
イギリス・ファーンナムを拠点とするカーリンは、1999年のチーム発足以来、ジュニアモータースポーツ界を中心に活躍。これまでFIA F2、FIA F3、F4、インディカー、インディライツ、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、アジアン・ルマン・シリーズに参戦し、通算勝利数は470以上。さらに選手権タイトルは30回以上獲得し、これまでに佐藤琢磨や角田裕毅をはじめ、30人以上のドライバーをF1へ送り出してきた。
ロダン・カーズは、『ロータス・T125』のプロジェクトを引き継いだフォーミュラカー『ロダン・FZED』を生産・販売するほか、「F1より速いクルマ」を目指し、4.0リッターV10ツインターボに電動モーターを組み合わせ、最高1176psという出力を誇るレーシングトラック専用ハイパーマシン『ロダン・FZERO』などを手がけている。
なお、これまでチームを率いてきたカーリンの創業者でチーム代表のトレバー・カーリンと、チーム副代表のステファニー・カーリンを含む人事や運営面での変更はなく、チームはプレスリリースにおいて「サーキットでのパフォーマンスを向上させ、会社のビジネス基盤をさらに強化する」としている。また、ロダン・カーズは2022年にカーリンからFIA F2に参戦したリアム・ローソン、そしてイギリスF4に参戦したルイス・シャープのスポンサーを努めていた。
ロダン・カーリンの大株主となり、同チームの会長に就任したデビッド・ディッカーは、「カーリンは昨年シーズン、リアムとルイスととも大きな成功を収めた。トレバーと私は同じ志を共有しており、目標を達成できるチームであることも理解している。チームの将来のための原動力の一部になることは非常にエキサイティングなことだ」とコメント。
「チームへの投資は、私が長年情熱を注いできたモータースポーツ分野における我々の意思を強調するものだ。トレバーと私は、パフォーマンスとコンペティションに対し執念を持っており、ロダン・カーリンはこれからのシーズンで各カテゴリーのトップランカーとしての地位をさらに固めるだろう」
また、引き続きチームを指揮するトレバー・カーリンは、「ロダン・カーリンとして、チームの新しい時代が始まり、レースやチャンピオンシップで勝利するストーリーを続けていくこと。そしてロダン・カーズのような革新的な企業とともに、新たな旅ができることに興奮している」と語った。
「また、株主として、ビジネスパートナーとして、13年にわたり素晴らしいサポートを提供してくれたグラハム・チルトン(編注:マックス・チルトンの父で、これまでの大株主)に感謝したい。私たちは、一緒に仕事をしている間に、世界中で複数のチャンピオンシップやレースでの勝利を獲得し、数えきれないほどのドライバーをトップカテゴリーへステップアップする助けをしてきた。我々がともに築き上げたファクトリーは、今後も素晴らしい財産であり続けるだろう」
2023年のFIA F2においてはエンツォ・フィッティパルディとゼイン・マロニーというレッドブル育成のふたりを起用するロダン・カーリン。ロダン・カーズを率いるディッカーによる出資で、パフォーマンスにどのような影響を与えるだろうか。