マッティア・ビノットの後任としてスクーデリア・フェラーリに加入し、チーム代表兼ゼネラルマネージャーに就任することが決まったフレデリック・バスールについて、ドライバーであるカルロス・サインツが期待を示した。
ザウバーが運営するアルファロメオF1チームの代表を務めたバスールは、2023年1月9日にフェラーリに加入する。チームに新しい人材が入ることが2023年にフェラーリが復調するうえでの助けになると、サインツは考えている。
2022年にフェラーリは期待したような結果を残すことができなかった。非常に有望な形でシーズンをスタートしたものの、戦略ミスや技術トラブルもあり、レッドブルのマックス・フェルスタッペンの優勢を許してしまったのだ。
「新しく加入する人というのは、特別なモチベーションを持っているものだ。自分自身とチームのために良い仕事をしたいという気持ちがあるからね」とサインツは12月にスペインで行われたエストレージャ・ガリシアのイベントで語った。
サインツは、バスールがフェラーリで腰を落ち着けて、新たな役割において自身を証明できるよう、時間を与える必要があるとも考えている。
「チームがどのように機能しているかを見るための時間を、彼に与えなければならない。そうすればどのような変化が必要か分かる。フェラーリはとても大きな組織だから、それには時間がかかることは分かっている。1日、2日で成し得ることではない」
サインツがバスールと初めて知り合ったのは2016年のことだ。当時ルノーのチーム代表を務めていたバスールがサインツとの契約を主導し、2017年終盤の移籍を実現した。ただしそのころにはバスールはすでにザウバーに移籍していた。
「彼についてはとても良い話を聞いている」とサインツは語った。「僕は個人的に彼を知っている。彼は僕と契約してルノーへと移籍させたがっていた」
「彼と昨日話をしたよ。電話をしたんだ。僕がフェラーリのドライバーになってから連絡したのは初めてだった。彼はきっと、うまくやっていくだろう」
現在フェラーリのドライバーを務めるシャルル・ルクレールが、2018年にアルファロメオ・ザウバーからF1デビューを果たした際に、チーム代表を務めていたのはバスールだ。ルクレールは翌年、フェラーリに移籍したが、今もバスールとは親しい友人関係にあるといわれる。
フェラーリがバスールを起用した目的のひとつは、ルクレールを長期的にとどまらせることにあると考えられている。2022年のフェラーリがいくつか問題を抱え、レッドブルと対等に戦うことができなかったことについて、ルクレールは懸念を示していた。
フェラーリとバスールの新たな取り決めのひとつに、2023年にルクレールをナンバーワンドライバーとして扱うという項目がもしあったなら、それはサインツにとって不利に働くだろう。
F1が新世代F1マシンを導入した2022年、フェラーリのF1-75に適応することに苦労したサインツだが、イギリスGPでF1初優勝を飾った。シーズン中6回のリタイアを喫したサインツは、2022年ドライバーズ選手権を、メルセデスのジョージ・ラッセルに次ぐ5位で終えている。
一方のルクレールは、シーズン半ばにフェラーリがレッドブルにパフォーマンス差を広げられる前に3勝を挙げ、最終戦アブダビGPでセルジオ・ペレスを下してランキング2位の座をつかんだ。