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知らないと痛い目に遭うかも!! パンク修理は内面修理にすべきか? 外面修理にすべきか?

 JAFによると、年間出動件数のうち約18.6%が「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」で、その数は実に40万1290件に及ぶ(二輪+四輪/2021年累計)。1日1000件以上、日本の道のどこかで誰かの車両がパンクして、それをJAFが救援しているということだ。

 この数字からもわかるように、どんなにメンテナンスを完璧に行っていても避けることのできないトラブルの一つがパンク。その多くは、前輪によって跳ね上げられた突起物が後輪通過時に後輪へと刺さり、タイヤから空気が漏れ出すトラブル。

 だが、チューブレスタイヤのパンク修理は、カーショップなどで買えるパンク修理キットを使えばそれほど難しい作業ではない。この場合は、タイヤの外側から修理材を打ち込んで行う「外面修理」と言われるタイプだが、パンク修理法にはもう一つ「内面修理」と呼ばれるものがある。「パンク修理に2つの方法があるとは知らなかった……」という方のために、今回はこの内面・外面修理について話そう。

文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/写真AC

外面修理とは?

 タイヤに刺さった異物を取り除き、プラグと呼ばれる修理材を打ち込む「簡易的な」修理法。ガソリンスタンドやJAF、個人などで行う応急修理を目的としたパンク修理法で、異物によって開いた穴を外側からただ塞ぐだけなので、パンクしたタイヤが内側にどんなダメージを負っているかを知るすべもない。

メリット
 タイヤをホイールから外さずに施工可能なので、施工時間の短縮と作業工賃も安く抑えやすい。

デメリット
 ホイールを車体から外し、さらにタイヤをホイールから外して施工するため、施工時間は長くなり作業工賃も高くなる。そして専用工具や専門知識も必要。個人でも行えないことはないが、かなりハードルは高い。

知らないと痛い目に遭うかも!! パンク修理は内面修理にすべきか? 外面修理にすべきか?
刺さった異物を取り除き、修理材で穴を防ぐ外面修理。ただし、内部の状態がわからないため、あくまでも応急処置としたほうが無難だ

内面修理とは?

 ホイールからタイヤを外し、内側からパンク穴を塞ぐと同時にタイヤ内面にパッチを貼り付ける方法。タイヤ専門店やカーショップなどで主に行う方法で、修理時にタイヤ内側のダメージも同時にチェックすることが可能。

メリット
 パンク穴とタイヤ内面をパッチによって修理するため、修理後はエア漏れの心配がなく、耐久性にも優れる。もちろん、高速走行も問題なし。

デメリット
 ホイールを車体から外し、さらにタイヤをホイールから外して施工するため、施工時間は長くなり作業工賃も高くなる。タイヤをホイールから外すため、専用工具や専門知識も必要。個人でも行えないことはないが、かなりハードルは高い。

 とまあ、安価に済む外面修理だが、これはあくまで「応急処置」ということを知っておきたい。そして結局は「外面修理」を行った後も、安心・確実な「内面修理」を行う必要があるということも。

知らないと痛い目に遭うかも!! パンク修理は内面修理にすべきか? 外面修理にすべきか?
内面修理のほうが安心。ただし、DIYで行うのはかなり困難なため、プロに任せるしかない。時間とコストがかかるのが難点

パンク修理できない箇所もある⁉

 ちなみに、多くのパンクではトレッド面(地面と接する部分)に穴が空くことがほとんどだが、まれにサイドウォール(タイヤの側面)に損傷を受けることがある。縁石のカドにサイドウォールを擦ったりした場合などがそうだ。

 この場合、どんな小さな穴であっても修理不可。走行中のサイドウォールは変形が大きく、パッチなどを貼っても剥がれるためだ。また、サイドウォールに切れや大きなヒビ割れがあると車検に落ちることもあるので要注意!

 トレッド面に穴が空いた場合も、直径10mm程度までが修理限度。それを超えるようならタイヤ交換となる。

知らないと痛い目に遭うかも!! パンク修理は内面修理にすべきか? 外面修理にすべきか?
サイドウォールの傷の修理は危険。トレッド面であっても、直径10mmを超えるような傷の場合は残念ながら修理は不可なので、タイヤ交換となってしまう

パンクを感じたら安全確認しつつすみやかに停止!

 じつは筆者、かつてアメ車のフルサイズピックアップトラックに乗っていた時期があり、高速道路上で前輪がパンクしたことがある。ハンドルをとられながらもなんとか停止したが、後ろからはクルマがビュンビュン走ってくる。前を見ると料金所が数十m先にあったので、そのままなんとかノロノロ走行し、料金所を出たところでスペアタイヤに交換した。

 ただその時、パンクしたタイヤが妙にフニャフニャしていたのが気になってカーショップへ。タイヤをチェックしてもらうと、重量級のクルマでパンクしたまま走ったため、タイヤ内面は削れたタイヤカスだらけで、タイヤ内部のコードも破損していた。

 外見上はサイドウォールに摩擦跡が見られた程度だったが、「なんか柔らかくなってないか?」と思って本当に良かった。

 自宅に帰って自分で外面修理だけ行ってそのまま高速走行していたら……。「バーストしたでしょうね」とショップスタッフ。おお、危なかった〜!

 特に重量級のクルマに乗っている人は、パンク後の走行は数mでも危険! と声を大にして言いたい。そして、外面修理後はすみやかに内面修理を行うことをお忘れなく!

知らないと痛い目に遭うかも!! パンク修理は内面修理にすべきか? 外面修理にすべきか?
パンクした時は無理して走らず、すみやかにスペアタイヤに交換しよう。そのためにも、スペアタイヤの空気圧は常にチェックしておきたい

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