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<p>【アジアの視線】債務負担にあえぐ途上国…「一帯一路」変容の1年</p><p>【話題の記事】 債務負担にあえぐ途上国…「一帯一路」変容の1年 一帯一路は来年10年を迎えるが、今年は債務問題を中心に途上国で「負の側面」が特に鮮明化した1年だったといえよう。</p><p>「偉大な事業であり、(参加国の)すべての人々に利益をもたらす」。中国の習近平国家出席は2013年9月、カザフスタンでの演説でこう述べ、巨大経済圏構想「一帯一路…</p><p>「一帯一路」関連事業である「中国パキスタン経済回廊」に基づいて開発が進むパキスタン南西部グワダル港=2016年(森浩撮影) 「偉大な事業であり、(参加国の)すべての人々に利益をもたらす」。中国の習近平国家出席は2013年9月、カザフスタンでの演説でこう述べ、巨大経済圏構想「一帯一路」を提唱した。「中華民族の偉大な復興」を掲げる習氏の看板プロジェクトだ。 以降、中国は積極的な融資を展開した。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)よりも審査基準が甘く、目先の開発資金を求める途上国は飛びついた。一帯一路に関する協定を結んだ国は途上国を中心に150カ国に達した。習政権幹部は中国と参加国の双方に「ウィンウィンの関係をもたらしている」と繰り返し意義を強調している。 一帯一路は来年10年を迎えるが、今年は債務問題を中心に途上国で「負の側面」が特に鮮明化した1年だったといえよう。対中債務にあえぐスリランカは経済危機に陥り、市民による抗議デモが拡大。7月に親中派ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領(当時)は国外脱出に追い込まれた。</p>