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凜(りん)とした朝の空気は冬。玄関を出て、屋根を見上げ一番に探す鬼瓦。 大きな鳥が優しい目をして、長いくちばしで軽くあごを上げ東の方角を向いている。 「前を向いて今日も歩こう」と曽祖父の顔に似て親しみがこみ上げてくる鳥が言っているようで、しばらく佇(たたず)む。 座敷に曽祖父母の写…