BMW Mモータースポーツは12月22日、元MotoGPライダーのバレンティーノ・ロッシとファクトリードライバー契約を結んだと発表した。これによりロッシは、すでに発表されているチームWRTとのプログラム以外のレースにも参戦できることになった。
MotoGPのトップカテゴリーで7度の世界王者に輝いた現在43歳のロッシは、2022年にはチームWRTのアウディR8 LMSでGTワールドチャレンジ・ヨーロッパにフル参戦し、本格的に4輪レースへ転向。チームがBMW陣営へと移る2023年に関しても、GTWCのほか、バサースト12時間レースなどへWRTのBMW M4 GT3で参戦することが先日発表されていた。
ロッシはBMWのファクトリードライバーとなったことで、チームだけでなく、マニュファクチャラーと直接関係を持つことになった。
2021年にMotoGPを引退したロッシは、「BMW Mワークスの公式ドライバーになれたことをとても誇りに思う。これは素晴らしい機会だ」と語っている。
「昨年から本格的に4輪のレースを始め、とても仲良くなったWRTと最初のシーズンを終えた。WRTが新しいパートナーとしてBMW Mモータースポーツを選んだことをとても嬉しく思っている」
「BMW M4 GT3はすでに2回テストする機会があり、マシンのフィーリングはとても良い。来シーズンは競争力を発揮できると思う」
「また、BMW Mモータースポーツは、マキシム・マルタンとアウグスト・ファーフスというふたりの強力なドライバーと来年一緒にレースする機会を与えてくれた。学ぶべきこと、改善すべきことはまだたくさんあるが、レースウイークエンドで戦えるだけの速さを身につけたい」
BMWはリリースのなかで、ロッシが「さまざまなBMW Mモータースポーツのレーシングカーで、さらなるレースやテストに参加することができる」と記し、WRTのプログラム以外の詳細は、後日発表される予定としている。
ロッシは2023シーズンの21人目のBMWファクトリードライバーとなる。ロッシの他に2023年から新たにこのポジションに就くドライバーとしては、ドリス・ファントール、シャルル・ウィーツ、マキシム・マルタン、ダン・ハーパー、マックス・ヘッセ、ニール・フェルハーゲンがいる。
BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、「バレンティーノ・ロッシについては、紹介するまでもないだろう。史上最も成功したモーターサイクル・ライダーのひとりとして、彼は歴史を作ってきた」と述べている。
「彼のレーストラックでの成功やその個性は、まさに生きる伝説となった」
「だが、バレンティーノは4輪のレーサーとしても優れていることを証明した。彼は、カーレースが彼にとって第2のモータースポーツの“ホーム”であることを示し、彼のキャリアの新しい章に、情熱、スキル、コミットメントをすべて注ぎ込んでいる」
「バレンティーノが来年、新しいワークスドライバーとしてBMW Mモータースポーツ・ファミリーの一員になることは素晴らしい。一緒に仕事をするのが本当に楽しみだ」