日本列島を大寒波が襲おうとしている。2023年1月24日頃から北陸などの山沿いでは100cmオーバーの積雪が予想されている。しかしそれでもなくならない立ち往生。もう少しリスクヘッジをしてほしいものだが……。
文:ベストカーWeb編集部/写真:池之平昌信
■道路は緊急車両や物流トラックに確保したい
毎年大雪のニュースになると報道が増える立ち往生のニュース。もちろん予報が大外れ下突発的な豪雪だったり、土砂災害など避けようがないものもある。しかしそのほとんどは事前に大雪警戒の報道がなされている状況でも起こっている。
なかには物流を支えるトラックドライバーだったり、医療現場に向かう救急車や医療従事者、インフラ関連の従事者などエッセンシャルワーカーも含まれている。もちろん個々人で「急用」の定義は異なるが、大雪の予報がある日程には外出しないことが基本だ。
興味深いデータがあるので紹介したい。NEXCO中日本金沢支社が2022年12月9日に発表したプレスリリースによれば、2022年12月5日に北陸道のサービスエリアなどで調査したところ乗用車の冬タイヤ装着率はなんと73%だったという。
大型車の94%に対してかなり低いことが判明している。金沢では12月下旬に市内でも20cmの積雪があったが、真冬のタイミングでも冬用タイヤを装着せずに走るクルマは依然として多いことがわかる。当然法令違反であり、反則者の違反を取らない警察には改善をしてもらうしかない。
大型車がスタックすればそれこそ撤去には時間がかかる。しかし大型車の責任だけではない。トラックドライバーからは「先行する普通車がスピンして停止したら再始動ができなくなった」という声も多い。
普通車が悪い、大型車が悪いという議論ではなく、本当に「今日行かないとだめなのか」を入念に考えてからドライブをお願いしたい。
■それでも立ち往生したらどうすればいい?
そうはいっても立ち往生した場合はいったいどうすればいいのか、という対策も紹介しておこう。大きく分けると4つになる。
・非常用品を車載する
・換気に気を付ける
・冷えは底からくる
・電力や燃料などを優先して使う
まず非常用品(高カロリー食、飲料水、携帯トイレ、防寒着、牽引ロープなど)だ。これは事前に車載しておくしかないのだが、この備えなく立ち往生になった場合はすぐに現状の物資を整理しておくこと。
500mlしか飲料水がないのに、がぶ飲みしてしまってはすぐ底をついてしまう。モバイルバッテリーの残量、暖をとれる防寒着などをチェックしておくのが大切だ。
また換気だがマフラー周りの除雪をするのは鉄則だが、あまりにそこに気を取られるとメンタル的にしんどくなってしまう。定期的な除雪をしつつ、窓を対角線上に開ける(助手席と右後部席など)ことも併用すると安心感は高まる。そもそもエンジンオフできるのならそれが安心だ。
さらに冷えは足元や座面からどんどん上がってくるので注意したい。上半身ばかり厚着しても足や腰など地面に近い部分はどんどん冷えてくる。血栓予防も兼ねて足の指を動かしたりするのもいいだろう。
そして最後は電力や燃料の使用について。冷え込みは深夜のほうが強くなる傾向が多い。たとえば夕方に立ち往生して燃料や電池を使いきってしまっては、その後がしんどくなる。あらかじめ長期戦を予測した行動をしておきたい。
不安や焦燥感などでパニックになりがちだが、困ったことがあったら周囲のドライバーに救援を求めるなど、協力して立ち往生を乗り越えるしかない。
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投稿 なんで最強寒波で運転するの? もう少しリスクヘッジをすべき!! 「大寒波で立ち往生」は軽減できるのでは は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。