レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェラーリはマッティア・ビノットのチーム代表辞任によって弱体化しており、フレデリック・バスールの代表就任によって強化されているわけではないと考えている。
2022年シーズン、フェラーリはようやく本物のタイトル候補として復活を遂げた。しかし残念ながらシーズンが進むにしたがって、ミスや戦略の失敗のせいでフェラーリの挑戦は勢いを失っていき、ライバルのレッドブルがF1の両選手権を制覇することになった。
11月末には、ビノットがフェラーリ会長のジョン・エルカーンに辞意を表明した。この決断は、エルカーンとフェラーリのCEOベネデット・ビーニャに促されたためと考えられる。フェラーリはビノットの後任にバスールを起用したが、マルコは他の多くの人々と同様に、この変化を理解するのに戸惑いを覚えた。
「フェラーリについては、あの変化はよく分からない」とマルコは『Auto Motor und Sport』に語った。
「私はビノットのことを、優秀な技術者であり政治家だと思っている。彼はただ仕事に圧倒されたのだ。しかしコースでは、スポーティングディレクターを傍に置いて、戦略のサポートをさせれば十分だっただろう」
「新任のチーム代表は他にも多くの役職についている。私はフェラーリが弱体化すると見ている」
確かにバスールは、フェラーリでの仕事に加え、フォーミュラEシリーズにシャシーを供給しているスパーク・レーシング・テクノロジー社の監査委員長の役割も継続する。
またバスールの加入により、フェラーリにおけるチーム代表の交代はこの10年で4回目となる。この状況は、クリスチャン・ホーナーがレッドブル、トト・ウォルフがメルセデスのチーム代表に留まっている両チームの安定性とは対照的だ。
F1ではマクラーレンとウイリアムズも含めて複数のチーム代表の交代があったが、そのおかげでレッドブルとメルセデスはトップに立てたかと尋ねられたマルコは次のように答えた。
「間違いない。安定性と継続性によるものだ」