クルマを自分の思い通りに走らせたいならだんぜんMT! それはわかっちゃいるけど、やっぱり現実的にはATかCVT。でもCVTやMTでもおもしろいクルマはたくさんある! はたしてどんなクルマがあるのか、おススメのAT車はどれだ?
文・写真/ベストカーWeb編集部
■ホンダシビック1.5L、直4VTECターボ/CVT
MT車を毎日の通勤で使っていると、渋滞、特に坂道の渋滞で疲れることもある。実際、筆者はもう50代だから、都内の坂道の渋滞や高速の出口が坂道だったりすると辟易することもある。
それにAT限定免許しかもっていない彼女や奥さん、子供が運転することだってある。
そこで、ATやCVTだって、MT並み、MTに匹敵するほど、運転が楽しいクルマを挙げてみたい。
まずMTじゃなくてもいいじゃないかと思う新車を3車種挙げてみたい。
最初におススメしたいのはシビックの1.5L、直4VTECターボのCVT車。電動化時代に合わせたスポーツモデルで、1.5L、直4VTECターボのCVT車なのだが、全開加速時のステップアップシフト制御やブレーキング時のステップダウンシフト制御が入り、まるでMTを運転しているような錯覚を感じさせてくれる。エンジン音、排気音も心地いいのでおススメです。
■スバルWRX S4/CVT
続いて挙げたいのはスバルWRX S4。きめ細かい変速フィールや応答性のよさはCVT勢のなかでも最高峰といえるもので、特にS、S♯モードはスポーツ走行したいというドライバーの意志を読み取り、トルク制御やブリッピング制御をしてくれるので、MT感覚の走行フィールが味わえる。なぜMT車を出さないのか、というスバリストの多いと聞くが……。
■GR86/6速AT
GR86の6速ATもなかなかの出来。このモデルを試乗した時に、気張らずにこれならATでもいいじゃないかと呟いてしまったほどの秀逸モデルだった。
というのは前モデルのトヨタ86のAT車よりも2ランク上くらいの出来のよさだったからだ。前モデルが200ps/20.9kgmの2Lエンジンが、2.4Lとなり、235ps/25.5kgmへと引き上げられ、下からのトルク増強でパンチとともに、高回転域までスムーズに回る余裕が感じられられた。
さらにブレーキングに合わせてシフトダウンするスポーツモードの制御ロジックもいい。これは蛇足かもしれないが6速AT車のみアイサイトが付くというのもポイントが高い。
■スイフトスポーツ/6速AT
スイフトスポーツに関しては、日本車、いや世界の至宝といってもいいほど太鼓判を押せるホットハッチだが、実はZC33S型スイフトスポーツの6速AT車も大穴までとはいかないが、おススメのATのスポーツモデル。
2023年中にも登場するといわれる新型スイフト、スイフトスポーツはマイルドハイブリッド車になる可能性が高く、筆者は昨年最後まで注文しようかと迷ったことがあった。
それはさておき、スイフトスポーツの6速AT車もなかなかどうして、走りが楽しいクルマだ。
意外なことに発進加速はレスポンスがよくダイレクトで、いわゆるCVT車のような違和感=ラバーバンドフィールはない。
ATなのにおもしろいと感じさせる一番の要因は、ボディの軽さだ。実は前モデルのZC32S型の1.6L、NAのCVT車と迷ったのだが、あちらは7速マニュアルモード付きのCVTだったものの、車重は1050㎏と、970㎏のZC33型に比べ80㎏も重いのだ。乗った印象もパドルシフトを介した加速フィールはZC33S型の6速AT車のほうがいい。
もちろんMTがいいに越したことはないが、MTじゃなくてもスイフトスポーツの魅力が堪能できる。50歳以上のおじさんが、最後に買うホットハッチという選択肢にスイフトスポーツの6速AT車はアリじゃないかと思う。
6速AT車の中古車は150万円前後からあり、走行距離の少ない登録済み未使用者も210万円前後から流通しており、6速AT車の在庫も少なくないので検討してみてはいかがだろうか。
■アルトターボRS/5AGS
アルトターボRSは2015年3月に登場し、2018年12月に販売終了。アルトワークスは2015年12月~2021年12月末で販売終了。
ちなみにアルトターボRSが消滅した理由は、アルトのラインナップにおいて、ターボRSは実用的なライトスポーツモデル、ワークスはオーソドックスなスポーツモデルという棲み分けをしていたが、一部仕様変更で行ったグレード体系の見直しで総合的に判断し、販売終了となった。
アルトワークスに試乗した時に、むしろあっち(アルトターボRS)のほうがいろんな面でいいかもと思った。
というのは、アルトターボRSはシングルクラッチの5AGSの2ペダルMT。64ps/10.0kgmのターボエンジンは7000rpmまでスムーズに回っていくし、変速していくタイミングはややダルさを感じるものの、ダイレクトさが欲しければマニュアルモードに変えればいい。特にコーナー手前でのシフトダウンなど、シングルクラッチのなかでは全体的に印象がよかったからだ。
マニア心をくすぐるストラットタワーバーやスポット増し、各部のブッシュ変更に加え、専用のKYB製サスペンションは、乗り心地も意外に上質でおじさんの胃袋をまさぐられることはなかった。
アルトターボRSは、ちょっとお金があれば、こいつに乗って走りに行きたいと思わせてしまう魅力が潜んでいる。なんたって670㎏のホットハッチが中古で60万円ほどから手には入るのは魅力。アルトワークスは高めだが、アルトターボRSのほうはそれほど高騰していないというのもポイントだ。
■ホンダNSX/4速AT
高騰を続けているネオクラシック車はATだっていいじゃないか説は通用するのか?
まずはホンダNSX。前期型の3Lモデルがメインになるが、AT車の中古車価格帯は1991年式、1993年式、1999年式の640万~900万円前後。なかには1993年式で1.1万㎞、998万円、1999年式、985万円でワンオーナーといった感じで900万円くらいでも極上車を見つけることができる。
一方MT車は1500万から1890万円とAT車の倍以上で、なかなかAT車のような走行距離の短いものを見つけるのも難しい。NSXタイプRはほぼ流通していないが、あれば4000万円以上といわれている。
これなら「ATでもいいんじゃね」と思いませんか?
■スープラ80/4速AT
スープラ80のMTも暴騰している車種の1つ。チューニングベース車として大人気だったこともあり、大幅な改造車やメーター改ざん車が多く、MT車の中古車価格帯は550万円前後から1088万円前後といったイメージ。
走行距離1.3万kmのRZのMT車があり、おっと思ったが1088万円……。昔からワイルドスピード人気で高騰していたが、まさか1000万円と超えてくるとは……。
一方、スープラ80のAT車は350万~749万円。この749万円というのは走行距離1.9万㎞のRZ-S。そのほか、ワンオーナーの8000㎞、498万円のSZや2.9万㎞のSZが498万円というものも。
ここでおさらいすると、スープラ80には、2JZ-GE型の3L、直6NAと、3L、直6ツインターボの2JZ-GTEエンジンがラインナップ。グレードによってMTやATの搭載車種が異なるので以下に整理しておく。
ツインターボはGZ(4速AT)、RZ(6速MT)、RZ-S(6速MT/4速AT)。NAはSZ-R(5速MT、後に6速MT)、SZ(5速MT/4速AT)というラインナップだった。
ちなみに新車当時、RZをターンパイクで走らせた時の、直6ツインターボ+6速MTの気持ちよさは身体が覚えている。
とはいえ、スープラ80もATとMTの価格は倍以上だから、そんなに飛ばさないのなら2JZの直6ツインターボをATで流す、というのもアリと思うのだがいかがだろうか。
【画像ギャラリー】スポーツカーはATやCVTだっていいじゃないか! MTと遜色のないAT車、CVT車はどれだ?(11枚)画像ギャラリー投稿 マニュアルってだけで中古価格2倍以上? スポーツカーは「MTじゃなくたっていいじゃないか!」 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。