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 都営バス乗りバスシリーズは急行系統だ。2つある急行系統の一つで、江東区の深川地区から臨海部を走る急行系統は速達性もあり、全乗車してもそれほど時間はかからず、乗りバスとしては快適な路線だ。乗りバスついでに終点付近を散策してみた。

文/写真:小野寺利右
編集:古川智規(バスマガジン編集部)

江東区内専用急行バスに乗りバスしてみた

 今回の乗りバスレポートは、都営バスの急行06系統で江東区深川シャトルの愛称を持つ。都営新宿線・大江戸線の森下駅と日本科学未来館を結ぶ急行バスで、その愛称の通り江東区のみで完結する路線である。路線の全区間がほぼ急行運転なので速達性に優れている。

日本科学未来館からスタート!

 今回は、日本科学未来館から森下駅へ向かう方向に乗車した。担当の営業所は港南支所で、いすゞエルガのE374だった。始発の日本科学未来館は、構内に停留所がある。

 構内を出ると一つ目に日本科学未来館前という停留所があるが、ここは新交通ゆりかもめの高架下で、海01などの路線が停車する。施設を利用する場合は便数の多いここからでも至近距離だ。

 急行06系統が最初に止まるのはテレコムセンター駅前で、その間の日本科学未来館前、東京港湾合同庁舎前は通過する。テレコムセンター駅前に停車後はゆりかもめと同様に青海一丁目を右折して、停留所の名称が変わった青海駅前に止まる。

青海・有明地域の臨港エリアを軽快に走る

 青海駅前を出ると、フェリーふ頭入口交差点を直進して、次は東京ビッグサイト駅前に止まる。この間のフェリー埠頭入口停留所は通過する。

 東京ビッグサイト東棟前も通過して、その先の東京ビッグサイト前信号を左折し、都道484号線を北に向かう。台場地区は江東区・港区・品川区が複雑に入り組むが、急行06は江東区にしか停車しない。

担当は港南支所のE374だった

 そのまま北に向かうと豊洲市場が見えてきて、市場前交差点を右折して市場駅前停留所に止まる。そのまま、ゆりかもめと並走しながら進むと豊洲駅前の交差点に出る。

豊洲からもぶっちぎりの急行運転!

 豊洲駅の西側はバスターミナルになっている。構内を入ると1番乗り場から、順に各方面別に分かれており、急行06系統は4番のりばの門19系統と同じ停留所に止まる。構内の出入口には警備員が立っており、発着の際には交通整理している。

豊洲駅前はターミナルに乗り入れる

 ちなみに5番のりばまであるが、5番だけは構内ではなく業10系統が発着する。構内を出て晴海通りを左に進み、豊洲二丁目交差点を右折して、豊洲橋を渡り、都立三商前交差点を左折して、越中島通りに入り、清澄通りに向かって走る。

 越中島交差点を右折して清澄通りに入ると門前仲町だ。都営大江戸線と東西線に接続する。門前仲町は一大ターミナルなので乗降は多い。

 豊洲から門前仲町までの区間は門19系統や、海01系統と並走しているが、途中の停留所には止まらないのが急行らしい。

清澄通りを墨田区直前までラストスパート

 門前仲町停留所を出ると、清澄通りを北へ向かう。この区間は門33系統と並走する。途中は清澄庭園前停留所のみに停車する。

 都営大江戸線沿いに北上し、森下駅前が終点だ。この先の清澄通りは墨田区であり、江東区内完結が徹底している。

門33系統と並走する区間がある

 バスは終着後回送で途中で曲がり、折り返して南方面の始発停留所につける。森下駅前停留所は、交差点を挟んで北側と南側に位置していて、専用の停留所はなく、門33系統の停留所を使用している。

終点でちょいとおやつスポットを紹介

 終点の森下駅前から程近い所に有名なパン屋がある。このパン屋の外観はごく一般的なものだが、その中に目を引くパンがある。それはカレーパンで、なんとここが元祖のカレーパンだそうだ。

 試しに購入して食べてみた。カレーパンは2種類で普通のと辛口がある。当然ながら両方買って食べ比べた。普通の方は、中身のカレーは黄色で子供などが食べる甘いカレーだ。

 味は辛さを抑えている印象であるが、カレーの味わいはしっかりあり美味しい。どちらかと言うと辛さの苦手な人向けかな、という印象だった。

元祖カレーパンのお店

 辛い方は一般的なカレーの味付けで、食べるとスパイスが効いていて後味がピリッとくる。大人向けといった感じで、こちらも美味しい。両方とも食べてみたい方は普通の方から食べるのがおすすめ。

 ただし定休日が日曜日と月曜日なので、急行06系統の運行日である日曜日は定休日なのが残念だ。急行06で行くならば土曜日しかない。

急行06系統は今後も江東区専用なのか!?

 路線を全線乗り通したが、江東区深川シャトルと名乗るのは江東区が委託している系統だからのようだ。江東区完結路線なので、江東区の北端である森下駅から北側に路線を伸ばしてJR線に接続しないのは残念だが、それにしても上手く路線を引いたものだと感じる。

急行06系統

 急行06系統は乗り通しても30分程度であり、途中の停留所は観光スポットで、停留所間に時間的な溶融があることから観光案内の放送まであり、力を入れているように思える。

 しかし担当営業所が幾度となく変わっているのは、車両運用上の都合なのか採算の問題なのかはさておき、都営バスでこれだけの急行運転系統は他に例を見ない。急行06で江東区観光を楽しんだり、急行運転で快適な乗りバスを楽しんだり、乗る人の異なる欲求を満たしてくれる系統だろう。

投稿 絶対に江東区内しか走行しない!! 都営バス急行06系統「江東区深川シャトル」の正体自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。