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スマートフォン向けゲーム大手のgumiは22日、SBIホールディングスとスクエアエニックスと資本業務提携を締結したことを明らかにした。提携にあたり、SBIから約62億円、スクエニから約8億円の計70億円を調達する。

SBIにとっても近年のゲーム業界への投資としては最大規模。議決権比率も22%超とgumiの筆頭株主になる見通しだ。

gumiプレスリリースより

gumiは2007年、前身となる会社を創業。モバイルオンラインゲームの“老舗”として知られる。近年はブロックチェーンゲームの開発に乗り出し、メタバースやNFTも含めたWeb3.0領域に積極的に投資してきた。

「メタバース事業を第2の収益の柱」に掲げて開発を加速させる中、SBI側の資金力に加え、トークン発行やトークンエコノミー形成のノウハウを融合。SBI証券で、gumi側が開発するゲームや保有する版権を裏付けとするセキュリティ・トークンの発行・販売も検討、暗号資産取引所での“トークン上場”も想定しているという。

一方、スクエニとはゲーム開発やブロックチェーンゲームのプラットフォームづくりなどの取り組みを進める、としている。

※画像はイメージです(AntonioSolano /iStock)

NFTやメタバースの隆盛に伴い、世界的にゲームと金融が融合する動きが進んでいる。NFTを元手にゲーム内での独自通貨を取引するといった“新たな経済圏”が勃興しつつあるが、知名度のあるgumi、SBI、スクエニの3者提携は日本でもゲームと金融の新たな関係を構築する流れを加速しそうだ。

他方、税制や消費者保護などの法的規制が日々加速するトークンエコノミーの動向に追いつけるのか、政治・行政側にも新たな課題を突きつけた格好だ。今回の3者提携でも税制や法規制への対応を見据え、省庁や業界団体等との連携に言及している。

gumiの川本寛之社長はこの日夕方ツイッターを更新。SBIの北尾吉孝社長やスクエニの松田洋祐社長への謝辞を述べた上で、「SBIさんの金融力とスクエニさんのコンテンツ力を掛け合わせ、Web3/モバイルゲーム領域における日本代表企業になるべく駆け上がります!」と抱負を書き込んだ。gumi創業者で、同社前会長の國光宏尚氏も「皆んなで日本のWeb3盛り上げていきましょう〜!」とエールを送っていた。