F1のチーフテクニカルオフィサーを務めるパット・シモンズは、F1のスプリント形式を擁護し、スプリントレースはイベントを予測のつかないものにし、毎日レースを行うことを可能にすると主張している。
2021年と2022年にそれぞれ3戦ずつ革新的なスプリントのテストを行ったF1は先月、2023年シーズンは全23戦のスケジュールにスプリントの週末を6回組み込むことを認めた。4月のアゼルバイジャンを皮切りに、オーストリア、ベルギー、カタール、オースティン、ブラジルで30分間のスプリントレースが行われる予定だ。
現世界王者のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のように、このコンセプトに納得していないドライバーもいるが、このフォーマットが思わぬ展開をレースウイークにもたらしてきたことは否定できない。このことは、ブラジルでケビン・マグヌッセンがハースに驚きの初ポールポジションを獲得してみせたことでも示されている。
「気に入っている者もいればそうでない者もいる」とシモンズが語ったと、ウェブサイト『GPFans』は報じた。
「私は、我々がやっていることは競争だと思う。競争で好きなのは、予測がつかない時だ。先日のFAカップでオックスフォードがアーセナルと対戦し、ハーフタイムまで0対0で抑えていたが、ああいうのは素晴らしい」
「通常のグランプリの週末では、金曜日は何の競技も行われない。それでは金曜日の魅力とは何なのだろうか? 我々は競争をするためにここにいるのだ」
「さらに、最近チームのシミュレーションは非常に優れていて、金曜日にすべての時間を使い、2時間の走行でマシンを調整してすべてがうまくいっていることを確認している。それでどうなるかというと、予測が可能になるわけだ」
シモンズは、F1のスプリント形式は金曜日から日曜日までファンの関心を高めて維持することができると主張している。
「スプリントのおかげで、毎日競争を行うことができる。金曜日に予選、土曜日にスプリントレース、そして日曜日にグランプリだ」
「私の考えでは、メインイベントの邪魔になるイベントにならないことが肝心だ。なぜならグランプリこそが重要だからだ」
「また、チームがマシンに磨きをかけるための時間を減らすことで、スプリントレースにエラーが起きる可能性を入れる。それでレースが多少混戦になるチャンスができる。そうしたレースを人々は好むのだ」