1月21日、モナコとフランスで開催されているWRC世界ラリー選手権第1戦『ラリー・モンテカルロ』はデイ3のSS9~14が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位を堅持している。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合6番手で競技3日目のステージを走破した。
19日(木)に開幕した2023年シーズン第1戦モンテカルロはSS9からSS14の計6本のステージ、合計111.78kmで争われる競技3日目に突入。今大会の中でもっとも長い一日となったこのデイ3を前に、2番手につける僚友のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)に対し36秒ものリードを築いたオジエは、勝利を確実なものとすべく早くもペースコントロールに入った。
39歳のフランス人ドライバーはこの日6本すべてのSSで4番手以内のタイムを刻み、SS10ではベストタイムを記録し今大会7度目のステージウインを飾っている。
「今日も良い一日だった。ステージはコーナーのインカットによるリスクがもっとも高いと分かっていたし、自分たちの立場的に大きなリスクは取りたくなかった」とオジエ。
「ベストタイムを記録しても何もプラスにならないし、すでに充分なタイム差があったので、それをマネージすることに努めた。明日はまだ4本のステージが残っているから、最後まで仕事をやり遂げなければならない」
■トヨタGRヤリス・ラリー1の連勝は『11』でストップ
一方“8冠王者”を追いかける新王者ロバンペラは、前日よりもさらにペースアップを図りオープニングのSS9をはじめ、SS11とナイトステージとして行われたSS14で最速タイムをマーク。それ以外のステージも3番手以内のタイムを記録した結果、両者のギャップは1日で20秒縮まり、ラリー最終日を前にその差が16.0秒となっている。
今大会では初日のSS1からデイ3の午前中までに行われたすべてのステージで、トヨタGRヤリス・ラリー1がベストタイムを叩き出してきた。それにストップをかけたのは、ヒョンデのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)だった。
総合3番手につけるヌービルは、ループ間のタイヤフィッティングゾーンを経て行われた午後のSS12、続くSS13で連続ベストをマークした。しかし2番手の座を争うロバンペラとの差はデイ2終了時の1.9秒から大きく拡がり、SS14を終えた段階では16.0秒となっている。
■勝田貴元は総合6番手で競技最終日へ
エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は金曜日のパンクから復帰し、午前中の2本目のステージとなったSS10でオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)を交わして4番手に浮上している。3番手ヌービルとのタイム差は24.5秒だ。総合5番手に順位を下げたタナクは、パワーステアリングに問題を抱え満足に走ることが困難となった。それでも完全に壊れたわけではなかったのが幸いしトップ5のポジションを維持している。
タナクの後方では勝田がダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)を抜いて総合6番手にポジションアップ。以下、ソルド、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)、ニコライ・グリアジン(WRC2/シュコダ・ファビアRSラリー2)、ヨアン・ロッセル(WRC2/シトロエンC3ラリー2)と続くトップ10オーダーとなった。
デイ2の半分以上をパワステなしで走ることになり順位を落としていたピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、今朝のSS9のフィニッシュ直前にクラッシュを喫した。氷を踏んでスリップした彼のプーマ・ラリー1は欄干にリヤを激しくヒットさせてしまい、この影響で右リヤの足回りが損傷。走行不能に陥ったためデイリタイアとなっている。
競技最終日としてSS15~18が行われる22日(日)のデイ4は、サービスパークのすぐ北側に広がるフランス南部の山岳地帯で2本のステージを各2回走行する予定だ。計4本のステージの合計距離は67.88km。リエゾン(移動区間)を含めた一日の総走行距離は235.72kmだ。
なお、最終ステージのSS18はトップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となる。