円安から物価高の波が押し寄せ、食料品や生活必需品も値上げの嵐。我々の生活を圧迫している。それは自動車も同様で、日本車は改良やモデルチェンジのタイミングで価格がジワジワと上がっている。
そんな中、庶民のおサイフにやさしい、コストパフォーマンスに優れた日本車を渡辺陽一郎氏に選んでいただき、2022年版の最新コスパ番付を作ってもらった!
※本稿は2022年10月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年11月26日号
■2022年版 国産車コスパ番付
東の横綱は軽自動車のアルトL(スズキ)で、価格は99万8800円だ。
クルマが値上げされるなかで、100万円を下回る価格が魅力。しかも衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキサポート、サイド&カーテンエアバッグ、電動格納式ドアミラーなどを標準装着した。
ちなみに初代アルトは、1979年に47万円で発売されて人気を得た。この時の47万円を、大卒初任給をベースに今の価値に換算すると90万円少々になる。
つまりアルトの求めやすさは当時も今も同じだが、初代は装備を徹底的に簡素化して、左側の鍵穴まで省いていた。それが現行型は安全装備を筆頭に充実している。買い得度は抜群だ。
西の横綱はフィット(ホンダ)にノーマルエンジンを搭載する「ホーム」だ。価格は先ごろの改良で約6万円値上げされて182万6000円になったが、エンジン排気量も1.5Lに増えた。
全高が立体駐車場を使いやすい1550mm以下に収まる5ナンバーサイズのコンパクトカーでは、車内が最も広い。
衝突被害軽減ブレーキやLEDヘッドランプなどの装備も充実しており、買い得度は西横綱に相応しい。
東大関はコンパクトミニバンのシエンタ(トヨタ)だ。
ノーマルエンジンを搭載するGが割安で、価格は234万円になる。薄型燃料タンクの採用で、3列目も床と座面の間隔が相応に確保され、膝が大きく持ち上がる窮屈な姿勢にならない。
コンパクトだが、多人数で乗車できて、3列目を2列目の下側に格納すると、広くて使いやすい荷室に変更可能。乗り心地や安全装備も進化して買い得だ。
西大関はスイフトスポーツ(スズキ)。6速MTが202万8400円。この価格でスイフトスポーツ専用の1.4Lターボ、モンローのパーツを使った足回り、エアロなどが備わる。
スイフトに1.2Lノーマルエンジンを積んだRSと比べても、23万円少々の上乗せに抑えた。登録台数はスイフト全体の約半数に達する。
東関脇はタフトX(タント)だ。衝突被害軽減ブレーキ、大型ガラスルーフのスカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、電動パーキングブレーキ、純正ナビ装着用アップグレードパックなどを装着して、価格は135万3000円だ。
ガラスルーフを備えて、ここまで安価なクルマはない。
西関脇はN-WGN・L(ホンダ)。内外装は上質で、360度スーパーUV・IRカットパッケージなども標準装着する。
燃料タンクを前席の下に搭載したから荷室の床が低く、上下2段に分割して便利に使える。後席の下には幅が約1mのワイドなトレイも装着した。機能を充実させて価格は139万9200円だ。
東小結はCX-60・25S・Sパッケージ(マツダ)。後輪駆動のプラットフォームに2.5Lエンジンと8速ATを搭載する上級SUVだが、価格は299万2000円に抑えた。前輪駆動のCX-5(マツダ)に2Lエンジンを搭載する20Sプロアクティブとほぼ同額だ。
以下、西小結がライズ1.2(ノーマルエンジン)G(トヨタ)、東西前頭筆頭がアクアG(トヨタ)、ロードスター990S(マツダ)と買い得感の高いモデルが続く。
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