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 レクサスは2022年12月22日にスポーツクーペの「RC」と「RC F」の一部改良を発表した。発売は2023年1月9日からとなるが、さらに高次元な走りの性能を追求した改良内容をお届けしよう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/レクサス

■日本車では珍しいハブボルトを採用

RC350“version L”(ラディアントレッドコントラストレイヤリング)<オプション装着車>

 2014年にデビューしたレクサスRCは、今や国産車では貴重となったFRならではの本格的な走りが楽しめる2ドアクーペだ。そしてトップモデルのRC FはV8 5.0Lの高出力NAエンジンや8速ATを搭載し、トヨタのレーシングスピリットを受け継ぐ“F”モデルとなっている。

 2022年11月時点でRCは世界中の62の国と地域で累計7万4000台を販売し、RC Fは世界中の57の国と地域で累計1万1000台を販売している。

 今回の変更でRCおよびRC Fでは、「Always On」の思想の下、走行性能を磨き上げている。より操舵性能を高めるためにハブボルトによるホイール締結を採用するとともに、アブソーバー特性やAVS、EPS制御を「Toyota Technical Center Shimoyama」での走り込みを重ねる中で最適化しているという。

RC“F SPORT”専用アルミホイール(スーパーグロスブラックメタリック塗装)

 ここでいう「ハブボルト」とは欧州車で採用例が多いホイールの固定方法だ。一般的な日本車のホイール固定方法は、ハブからボルトが出ていて、これをナットで止めるというものだ。

 しかしハブボルト方式の場合、ハブ側にねじ穴が切ってあり、ボルト形状の「ハブボルト」をねじ込むことでホイールを固定するのだ。ホイールを固定するものがハブにねじ込まれたハブボルトのみになるため、構造がシンプルになり、またホイールの取り付け剛性を高めることができるという。

 時速200km以上で走る環境がある欧州車に採用例が多いのはこのためだ。しかし、ハブからボルトが出ていないので、ホイール交換の際はホイール位置の固定が少し大変である。

 2020年のマイチェンでレクサスISでもこのハブボルトが採用されており、今後レクサスのラインアップでは増えていきそうだ。

 今回の改良では、安全面も進化、「Lexus Safety System +」の機能が拡充されている。マルチメディアシステムにタッチディスプレイを採用することで使い勝手が向上している。

■レクサスRC-Fはサーキットで高いパフォーマンスを発揮

RC F“Performance package”(ホワイトノーヴァガラスフレーク)<オプション装着車>

 レクサスRC Fは、サーキット走行においてより高いハンドリング性能を実現すべく、ボディ剛性配分を見直し最適化したほか、Dレンジにおけるパドルシフト変速制御を改良することで、さらに“F”らしい走りを追求した。

 レクサス・インターナショナルの 開発担当 小林 直樹氏によれば、「ISに続いて、同じFRであるRC、RC Fの開発に携わってまいりました。今回発表のRCとRC Fは舵の効きや正確性の向上といった車両性能の進化を図るべく、ISの技術展開であるホイール締結をナットからハブボルト化する事を起点にアブソーバーやEPSを最適化しました。

 RC Fはバネやスタビライザー、ボディ剛性に至るまで最適化し、回頭性と乗心地を大幅に向上させています。RCは街乗り、RC Fはそれに加えサーキットといった様々な舞台で、FRのクーペらしく、ドライバーの描くイメージどおりに駆け抜ける走りの楽しさを是非ご体感ください」とのこと。

■単眼カメラとミリ波レーダーで安全を確保

RC F コックピット(“Performance package”専用ブラック&アクセントブルー)

 マルチメディアシステムは直感的な操作が可能なタッチパネル式のディスプレイを採用し、ドライバーの操作性を向上している。ディスプレイのタッチスクリーン化に伴い、インストルメントパネルアッパーのデザインを刷新。

 「Lexus Safety System」は単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大。昼間の自転車運転者や夜間の歩行者、交差点右折前に前方から来る対向直進車、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になった。

 加えてドライバーの操舵をきっかけに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援などの機能を追加。同一車線内中央を走行できるよう操舵を支援する高度運転支援機能「レーントレーシングアシスト(LTA)」の車線認識にAI技術を活用することで支援範囲を拡大し、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を実現した。

 自動車専用道路などにおいて設定した車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速制御する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」に、カーブの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能を追加するなど、進化項目は多岐にわたる。

 一部改良を受けた新型レクサスRCの価格は581万4000~735万2000円(税込)、RC Fは1058万~1455万円(税込)となっている。

【画像ギャラリー】大幅な進化でさらに魅力的になったレクサスRCとRC F(19枚)画像ギャラリー

投稿 ハブボルト採用だと……!?「絶滅危惧種」RC Fがまさかの大進化!! RCにレクサスの本気を見た自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。