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大前純史・画第一章 北堀江にて 二 (文・永井紗耶子) 父が暇を見つけては所領から出て、大坂や京へ足を延ばして何をしているのか、母も文吾(ぶんご)も知らなかった。ただ、大きな散財をしているわけでもないので、母は放っておいたようだ。 文吾が十を過ぎた頃のこと。 「お前、何でもええから描い…