突然の大雪で立ち往生してしまった……なんてことにならないためにスタッドレスタイヤに注目!!
今回はスタッドレスタイヤの装着を先延ばしするリスクと意外と知られていない事情をご紹介。年末年始の帰省や旅行をクルマでと考えている方は、一見の価値ありです!!
文:デグナー12(Team G)/写真:ベストカーWeb編集部・Adobestock(アイキャッチ:alexanderuhrin@AdobeStock)
買いに行っても在庫なしも? 新型車は欠品に要注意
モデルチェンジによってタイヤサイズが変わった車種のサイズは需要が増すため、欠品しやすい。降雪予報が出る前に準備しておきたいところ。
特定車種のデビューやモデルチェンジを期にスタッドレスタイヤが品薄状態になることがある。例えば人気のコンパクトSUV、トヨタ ライズやダイハツ ロッキーが発売された年は一部のグレードが新規サイズ(195/60R17)を採用したため、スタッドレスが品薄状態に。その状態は徐々に解消されたが、他の車種でも同じことが起きる可能性はあるのだ。
また、年末にかけてメーカーの生産量が減ることも知っておきたい。タイヤには製造年週が刻印されており、売れずに残ったタイヤは来シーズンまで持ち越しとなるが、来シーズンは前年生産タイヤとして安価に扱われてしまうことも。
性能に何ら問題がないにも関わらず、数週間の差で扱いが大きく変わってしまうことも。そのため、メーカーは12月末にかけての生産に消極的になる傾向があるのだ。
交換作業は打ち切り? 働き方改革がもたらす販売店事情
タイヤを購入したら交換作業が必要だ。降雪予報が出ると量販店の交換作業は多忙を極める。あまりの待ち時間に愕然とした人も多いと思うが、ひと昔前の降雪地区では、深夜まで交換作業を行うことも。
当然、ユーザーも長時間の作業待ち時間を過ごすことになるが、昨今では働き方改革の影響でその状況に変化がみられる。残業時間の削減、深夜帯の作業ミスのリスクを避けるため、営業時間内に作業を完了できなくなる直前に作業の受付を打ち切る店舗も出てきている。
降雪予報が出てから買っても“慣らし”ができない
無事にスタッドレスタイヤを購入、装着できたとしても、それで安心してはいけない。本来の性能を発揮できるよう、“慣らし”を行うことを強く推奨したい。絶対ではないが、長く使うためにもぜひともやっておきたい。
タイヤは製造工程の最後に、溝のデザインが刻まれた金型で加熱と加圧をすることで完成するが、金型と接しているタイヤの表面にどうしても少し硬めの皮ができてしまう。さらに、金型から取り出しやすくするための離型剤も若干残り、これらがとれることで本来の性能を発揮する。
慣らしの目安はタイヤメーカーによって異なるが、概ね60km/h以下の速度で100~200km以上の走行が推奨されている。降雪予報が出てから慌ててタイヤを買いに行っても遅いのだ。
また、慣らしを早く終えようと過度な負荷をかけるのも厳禁。急激な負荷は溝の角(エッジ)の摩耗を早めてしまうだけでなく、急激な発熱でゴムの劣化を早めてしまう。夏用のタイヤに比べてスタッドレスタイヤはゴムが柔らかいため、摩耗しやすく、発熱が早いことも知っておきたい。
慣らしをしなくても氷雪路の走行はできるが、少しでも事故のリスクを軽減するために本来の性能を発揮できるように備えたい。ちなみにタイヤメーカーがタイヤの開発や評価をする際にもしっかりと慣らしを行ったタイヤを使用している。
行動規制が緩和されてきたとはいえ、コロナの感染リスクを避けるため、年末年始はクルマで移動という人は多いだろう。値の張るスタッドレスタイヤを使用する直前まで温存したい気持ちは十分わかるが、冬の備えは余裕をもって行ってほしい。
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