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<p>日銀総裁人事 「アベノミクス」修正 安倍派注視 2月に国会提示</p><p>日銀総裁人事 「アベノミクス」修正 安倍派注視 首相が昨年末に防衛費の財源確保のための増税を打ち出した際は、積極財政を主張する同派議員らから反発が出た。首相が総裁人事でアベノミクスからの修正を鮮明にした場合、安倍派の離反を招くリスクもある。</p><p>政府は4月に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の後任人事を2月半ばにも国会に提示する。後任人事は安倍晋三元首相が進めた経済政策「アベノミクス」…</p><p>政府は4月に任期満了を迎える日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の後任人事を2月半ばにも国会に提示する。後任人事は安倍晋三元首相が進めた経済政策「アベノミクス」の中核である大規模金融緩和の方向性にも直結するが、自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)には継続を求める声が根強い。「異次元の金融緩和」には弊害も指摘されており、岸田文雄首相の人選が焦点となる。 「市場と対話できる人を選ぶ」 首相は今月、次期総裁の条件について側近にこう漏らした。政府は、3月19日に任期満了を迎える雨宮正佳、若田部昌澄両副総裁の後任とともに人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に示す考えだ。 次期総裁は雨宮氏と前副総裁の中曽宏氏(大和総研理事長)の2人が有力視されてきた。いずれも副総裁として黒田氏を支えた経験があり、出口戦略を描くのに適任とみられている。 また、「第3の候補」として、緩和に慎重だった白川方明(まさあき)前総裁の下で副総裁を務めた山口広秀氏(年金積立金管理運用独立行政法人経営委員長)の名前も挙がる。山口氏の起用は「脱アベノミクス」を印象づける可能性がある。 黒田氏はデフレ脱却に向け、金融緩和を推し進めたが、現在は物価高や急激な円安に直面し、いずれの候補が選ばれても修正は避けられない。首相周辺からは「金融政策は棒をのんだようなやり方ではなく、機動的かつ柔軟であるべきだ」との声が聞かれる。 その場合、ハードルとなるのが安倍派の動向だ。同派の重鎮は「次期総裁に求めるのは黒田氏のような人だ」と首相を牽制(けんせい)する。首相が昨年末に防衛費の財源確保のための増税を打ち出した際は、積極財政を主張する同派議員らから反発が出た。首相が総裁人事でアベノミクスからの修正を鮮明にした場合、安倍派の離反を招くリスクもある。 政府関係者は「今回の人事は市場だけでなく、政治との関係も考えないといけない」と打ち明ける。</p>