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<p>有明海のノリ、少雨と赤潮で記録的不作 出品枚数、例年の65% 〝争奪戦〟で異例の高値 「資金力ある大手が落札」嘆きも|熊本日日新聞社</p><p>有明海のノリ、少雨と赤潮で記録的不作 出品枚数、例年の65% 〝争奪戦〟で異例の高値 「資金力ある大手が落札」嘆きも|熊本日日新聞 #熊本のニュース #熊本日日新聞 #熊日 #熊本 #ノリ #不作</p><p></p><p>有明海のノリ、少雨と赤潮で記録的不作 出品枚数、例年の65% 〝争奪戦〟で異例の高値 「資金力ある大手が落札」嘆きも 熊本日日新聞 | 2023年1月21日 18:31 専用の機械で乾燥処理されるノリを見守る橋本勝範さん。「ようやく黒みが戻ってきた」と話す=20日、熊本市南区 早朝に沖合で摘み取ったノリを機械で撹拌(かくはん)する橋本勝範さん。生産量は例年より3割ほど落ち込んでいるという=20日、熊本市南区 有明海沿岸の養殖ノリが少雨と赤潮の影響で記録的な不作となり、熊本県内でも生産量が落ち込んでいる。県漁連の入札会への出品数は1億8600万枚(17日時点)と、例年同時期の65%に減少。落札価格は異例の高値となっている。 「40年の養殖歴で、これほどの不作は経験したことがない」。熊本市南区の橋本勝範さん(57)は、夜明け前に摘み取ったノリを加工しながらつぶやいた。 例年12月から3月にかけて計700万~800万枚を生産するが、今季は現時点で3割ほど下回る。12月末に冷凍網に切り替えた後もほとんど雨が降らず、ノリの生育に必要な栄養塩を取り込もうと網の調整に追われてきた。「1月中旬にようやくまとまった雨が降り、生育と色づきが戻ってきた。今後に期待したい」 県漁連などによると、今季は10月下旬の種付け後の少雨に加え、好天が続いたため、プランクトンが増殖して赤潮が発生するなど栄養塩不足が長引いた。「秋芽ノリ」は終盤に回復したものの、年末から再び少雨に見舞われ、1月上旬から収穫する冷凍網ノリも生育と色づきが遅れているという。 全国トップ産地の佐賀や2位の福岡は生産量が半減し、「色落ち」被害も広がっている。熊本でも県北の漁場ほど深刻で、大浜漁協(玉名市)の木山義人組合長(76)は「1月中旬までの収穫量は前年の5~6割。数十年に一度の不作だろう」と表情を曇らせる。 ほぼ全量を全国海苔[のり]貝類漁業協同組合連合会(千葉県)へ出荷するが、年明けに3回あった入札会は出品を見送り。次回26日の入札にようやく約290万枚を出す見通しが立ったという。 全国シェア6割を占める有明海産の不作は、乾のりの価格高騰を招いている。17日に県漁連が開いた冷凍網ノリの初入札会では、1枚当たりの平均価格が22円70銭と前年より7円29銭高く、過去最高額を3円近く更新した。前年の半分の約3510万枚を巡って商社の〝争奪戦〟となり、「同じ品質でも例年の倍の値が付いた」(担当者)という。 県産を中心に販売する吉田屋海苔(熊本市西区)の吉田佳樹専務は「思い切った値段を付けても資金力のある大手に落札されてしまい、予定量の1割も仕入れられなかった」と肩を落とす。「主力の業務用や家庭向けの出品が本格化するまでに、生産が回復するのを祈るしかない」と話す。 ノリの養殖は収穫期が年々短縮するなど温暖化の影響を強く受けており、県漁連の藤森隆美会長は「国は赤潮の原因究明や、高水温に強い品種開発といった対策を急いでほしい」と力を込める。(中尾有希、隅川俊彦) 関連記事</p>