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日本銀行が20日の金融政策決定会合で、長期金利の変動許容幅を0.25%から0.5%に拡大することを決めた。黒田総裁は記者会見で「利上げではない」と強調したが、市場は午後にかけ長期金利が急騰し、円高も一気に進むなど「事実上の利上げ」との受け止めが拡大した。約10年来続けてきた異次元の金融緩和政策の大きな転換点と言える。

金融政策決定会合後、記者会見する黒田総裁(日銀YouTubeより)

この日の決定は「黒田氏の在任中の見直しはない」という大方の見方を覆すサプライズだった。その証拠に日本経済新聞は当日の朝刊で「大規模な金融緩和策の維持を決める見通しだ」と報じていた。日経で日銀取材の統括をする日銀クラブのキャップは、「本流」経済部の重要ポジションの一つで歴代の編集局長を輩出する「出世コース」とされる。相応にできる人材が登用されるが、このサプライズは記者人生でもハイライトになるほどの失態だったかもしれない(ご心中お見舞いします)。

しかし、結果論ではあるが、この日のサプライズには予兆があったように見える。

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