ノア/ヴォクシー、それにステップワゴンとライバルたちは全車3ナンバーとなったが、新型セレナは5ナンバーモデルをしっかりキープ。しかもグレード数も多いうえに装備だって抜かりない。そして何よりカッコいいのだ。新型セレナ狙うは5ナンバーモデル説を徹底検証!
文/小鮒康一、写真/NISSAN
■480万円のルキシオンよりやっぱハイウェイスターが人気!!
新型セレナが発表されたことで、2022年にトヨタ ノア/ヴォクシー、ホンダ ステップワゴンとともにミドルクラスミニバンの新型がすべて出揃った形となった。
新型セレナの話題の中心は、先進装備をほぼすべて標準装備とした最上級グレード「ルキシオン」となっており、同社のフラッグシップミニバンであるエルグランドの上級グレードにも匹敵する約480万円という車両本体価格のインパクトは絶大だ。
もちろん価格だけではなく、ミニバンとしては世界初となる40km/h以上でのハンズオフ走行も可能(一定条件下に限るが)な「プロパイロット2.0」を標準装備とし、プロパイロットリモートパーキングや12.3インチのコネクティッドナビなども標準装備になるなど価格に見合った装備を備えている点も見逃せない。
ただ、事前予約分を含む現時点で最も人気が高いのは先代でも人気となっていた「ハイウェイスター」系となっているとのこと。
というのも最上級グレードとなるルキシオンはハイウェイスター系の外装がベースとなっており、フェンダーフィニッシャーがダークサテンカラーとなり、専用エンブレムが備わる以外はハイウェイスター系と同等のエクステリアとなっているのだ(アルミホイールも同一)。
確かにルキシオンまでいかなくても、今回の新型セレナは標準でプロパイロット(2.0ではないが)が備わっていたり、LEDヘッドライトが備わっていたりなど、すでに装備は充実している。
それでいて車両価格はe-POWERモデルで比較しても100万円以上安いのだから、ハイウェイスター系に人気が集まるのも頷けるだろう。
しかし、筆者としてはハイウェイスター系よりも強くオススメしたいモデルが存在する。それが5ナンバー登録となるボディを持った標準系の「XV」である!
■約20万やすいXVが穴場!? すっきりフェイスがたまらん!!
先代型も含め、セレナにはハイウェイスター系しかないのかと錯覚するほど売れまくっており、標準系は送迎車などビジネスユースで使われているのを見る程度というのが現状なのは間違いないところ。
しかし新型セレナの標準系は、かつて北米市場で販売されていたLクラスミニバンのクエストを彷彿とさせるフロントマスクをもっており、先代では腰高感が強調されていたサイドシル部分にも控えめなスポイラー形状のものが備わっており、シンプルかつクリーンな印象のスタイルとなっている。
いささかゴテゴテ感の強いハイウェイスター系に比べるとスマートなデザインとなっているため、ステップワゴンのAIRに興味を持ったユーザーであれば、このシンプルさが魅力的に映るのではないだろうか?
内装も新型セレナでは唯一グレージュという明るいベージュ系のカラーが用意されており(黒も選択可能)、シート表皮やインパネ、ドアトリムなどが明るい色になることで室内がより広く感じることができるようになるというのも魅力的なポイントと言えるだろう。
そしてプロパイロットなどに代表される装備類も実はXVとハイウェイスターVは同等となっており、充実装備のセレナをさらに20万近く安い価格で購入することができるのが最大のオススメポイントなのである。
■XVはステキな5ナンバー!! ついでにオススメカスタムも伝授
もちろん、3ナンバー化してしまったノア/ヴォクシーや、ステップワゴンに対し、標準系のセレナは5ナンバーサイズを死守したというのも美点だ。
たかだかハイウェイスター系とは全幅で20ミリしか違いがないのだが、そのわずかな差で自宅の駐車場に収まらないというユーザーもいることだろう。また全幅よりも実は75ミリも長い全長もクセモノで、狭い場所での切り返しなどで苦労することも珍しくないのである。
このように実は非常に魅力的な要素を持った標準系のXVグレード。
個人的にはリキュウ/スーパーブラックの2トーンカラーの車両をベースに、ローダウンと18インチホイールを合わせるだけでかなりイケてるミニバンが出来上がると妄想しているのだが、参考にしていただければ幸いだ(イケてるミニバンにならなくても責任は負いかねます)。
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