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 トラックなどさまざまな車両に後付けできる衝突防止補助システム「モービルアイ」がモデルチェンジし、国土交通省の「NETIS」に登録された。

 自動運転にも取り組むイスラエルの半導体メーカーが製造する安全装置は、国内販売元のジャパン21によると、取り付け後に追突事故の88%を削減する効果を確認したという。

 新世代機では安全運転支援をさらに強化し、新たに昼夜問わず工事車両および工事現場における作業員との交通事故を防止する。またNETISへの登録により、モービルアイ導入で公共工事等の工事成績評定や総合評価方式の入札において加点対象となった。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/ジャパン・トゥエンティワン・Mobileye・Udelv

NETIS(新技術情報提供システム)登録製品に認定

トラックに後付けできる安全装置で公共事業の入札が有利に? モデルチェンジしたモービルアイが国交省のデータベースに登録
国内ではジャパン・トゥエンティワンがモービルアイのオフィシャルディストリビューターを務める

 この度、トラックや工事車両などさまざまな車両に後付けできる衝突防止補助システム「モービルアイ」の新世代機が国土交通省の提供するNETIS(New Technology Information System:新技術情報提供システム)に登録製品として認定された。

国土交通省のNETISウェブサイト

 世界的な半導体メーカー・インテルの子会社でイスラエルに本社があるモービルアイの製品は、ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:愛知県豊橋市、以下ジャパン21)が日本のオフィシャルディストリビューターとして取扱いを行なっている。

 NETISは国土交通省により運営され、民間企業等により開発された新技術の活用を目的として情報を共有・提供するために公開されているデータベースだ。モービルアイの登録概要は次の通り。

新技術名称:後付衝突警報及び車線逸脱警報装置「モービルアイ」
登録番号:KT-220032-A
登録日:2022年12月1日

 トラックや建設機械などの交通事故防止と安全対策の確立、工事の円滑化が図られるだけでなく、今回の登録によって、公共事業等においてはモービルアイを提案・活用することで工事成績評定や総合評価方式などの入札時に加点および評価対象となる。

モービルアイの概要

 衝突防止補助システム「モービルアイ」は、本体を車両のフロントガラスに取り付け、常に車両前方を監視して、事故や衝突の危険が迫ると運転者にアイコンと警報音で知らせる後付けの衝突警報・車線逸脱防止装置だ。

 5つの警報によって運転者は事故を未然に回避でき、多くの車種に後付けが可能であることなどから、既にさまざまな業界・業種での交通事故削減に効果を上げている。ジャパン21がモービルアイを装着した全11社/1656台を調査したところ、装着後に追突事故が平均で約88%削減したという結果が得られたそうだ。

 新製品の「モービルアイ580」では、AI(人工知能)を搭載し警報精度を向上するとともに、夜間の歩行者や自転車を検知する進化した歩行者警報機能を実現した。衝突が回避可能なタイミングで警報を発することで回避行動を促し、交通事故を防ぐ。

 なお、モービルアイの5つの警報は次のようなものだ。

●追突警報:前方車両に追突の危険を予測した場合
●低速時追突警報:前方車両に2~3mの位置まで近づいた時や、時速30km以下で追突の危険を予測した場合
●車間警報:時速30km以上で走行中、設定した車間秒数まで前方車両に近づいた場合
●車線逸脱警報:設定により、ウインカーを出さずに車線を踏む直前、また踏み越えた場合(時速55km以上で作動)
●歩行者警報:歩行者に衝突の危険性を予測した場合(時速7km以上で警報)

(記載されている速度はおおよその目安で、実際の動作環境では異なる場合がある)

モービルアイ活用のメリット

 インテルの子会社で自動車メーカー向けに半導体チップを提供しているモービルアイは、世界各地で進められている自動運転プロジェクトやメーカー標準で新車に取り付けられている安全装置と同等のチップを採用している。このため、誤報の少ない正確な危険認知が可能だ。

 警報により個別の事故を防ぐだけでなく、運転習慣を改善し、安全運転を習慣化させるという側面からも交通事故防止効果を期待できるとする。特に建設・土木工事現場においては、高度な運転支援技術による現場周辺への交通安全対策として評価されている。

 いっぽう国交省のパンフレットではNETIS登録技術を活用することのメリットとして次のようなものを挙げている。

●新技術の活用を提案し、実際に工事で活用された場合は、活用の効果に応じて工事成績評価での加点の対象となる
●総合評価方式での入札において、事後評価で有用な新技術と位置づけられた技術の活用を提案した場合は、評価の対象となる

(評価方法や加点・配点等については、提案を行った地方整備局等によって異なる)

 ジャパン21は2011年にモービルアイの国内販売を開始し、それ以来、トラック・バスなどの運輸・運送事業者、大口の社用車ユーザーを中心に7万台以上を出荷している。

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