角田裕毅は、結果的には「より速い」ドライバーが2023年のアルファタウリF1を率いていくことになると語り、現時点でのチームリーダーの立場にはこだわっていないことを明かした。
角田とニック・デ・フリースという布陣で2023年シーズンを戦うアルファタウリにとって、現時点で最大のトピックと言えるのが、どちらのドライバーがチームを率いる立場になるのかという問題だ。
本来であればF1で3シーズン目を迎える角田がその役割を担うのが自然だが、ふたりの関係をみると事情は少し複雑だ。デ・フリースはルーキーとはいえ角田よりも5歳年上で、FIA F2とABB FIAフォーミュラE世界選手権でタイトルを獲得した実績がある。
F1での走行経験も豊富なデ・フリースは、2020年からメルセデスでテストやリザーブドライバーの役目を担ってきた。そして2022年第16戦イタリアGPでアレクサンダー・アルボンの代役としてウイリアムズから実戦デビューを果たし、いきなり9位に入賞してチームにポイントを持ち帰ってみせたことも記憶に新しい。
角田のF1でのキャリアとデ・フリースの実績を天秤にかけることは難しく、首脳陣の間でも意見が分かれている。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはデ・フリースがチームを率いていることになると予測したが、ふたりの直属のボスであるアルファタウリのフランツ・トスト代表は「(どちらがリーダーになるかは)これからわかること」と静観する姿勢をみせている。
結論の出ないアルファタウリのリーダー問題だが、角田が新たに語ったところでは、彼自身の考えはトストのものに近いようだ。『RacingNews365』によると、角田はリーダーを決めるのはあくまで結果であると指摘し、現時点でその立場には固執していないことを明かした。
「速い人間がチームを引っ張っていくことになると思います。ですので、自分がチームリーダーであろうとなかろうとどうでもいいですし、自分の仕事に集中するだけです」
「改善すべきことはたくさんあります。もちろん、ピエール(ガスリー)が去ってしまうので、今年以上に責任はあります。でも、それを達成できるという自信もあります。より強くなって戻ってきます」