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<p>“あなたたちははめられた” ロシア語で投降呼びかけ 狙いは? | NHK</p><p>「あなたたちは殺人者として記憶される」 ウクライナの国防相がロシアの軍人たちに向けて、ロシア語で投降を呼びかけました。 敵の言語で語りかけたのにはプロパガンダだけではない理由がありました。 その狙いを読み解きます。</p><p>ウクライナのレズニコフ国防相がロシアの軍人たちに向けて、ロシア語で投降を呼びかけ。敵の言語で呼びかけるのはプロパガンダだけではない理由があった。その狙いとは?</p><p>「ロシアのもくろみは、ウクライナという国を勢力圏に取りもどし、影響力を強めたいということだった。しかし、逆にウクライナのナショナリズムを刺激してしまった。『私はロシア系だ』という人や『私はロシア語を生まれながらに話している』というウクライナの人たちに、『ロシアの一部にはならないぞ』という気持ちを強く抱かせてしまった」 ただ、そのようななかで、小泉氏はかすかな希望もなくはないと言及した。 「少なくとも、国防大臣が『同じ言葉が通じるよね』と語りかけていることは、やはり、将来に向けて、多少の希望は持てるかなと思わないでもない。この先、ウクライナ人とロシア人の相互の憎悪は長く続くかもしれないし、両者を和解させるなど、本当にできるのかとも思う。その一方で、お互いに通じる言語があるということは、何もかも無駄だということではないのではないか」 レズニコフ国防相を取材して ロシアとの厳しい戦いが続く中にあって、私には、レズニコフ国防相に精神的な余裕があるとすら感じられた。インタビュー中も質問の内容によって、深刻な表情になったり、笑顔になったり、喜怒哀楽がはっきりとしていたからだ。 レズニコフ国防相は、ロシア語を使った別の理由として「ロシアの軍人たちの心をノックすることで、『あなたたちは失敗しているということをよく認識すべきだ』と伝えようというアイデアが浮かんだからだ」とも語った。 「心をノックする」その表現が印象的だった。 小泉氏は、「取材にフランクに応じ、政府が決めたような台本を読むのではなく、自分の考えを自由に表明している。それができること自体が、ウクライナへの親近感を抱かせるような感覚を国際社会に生み出しているのではないか。ロシアのショイグ国防相が話す時は、完全にせりふを棒読みして、学芸会のようになっている。何もかもが統制されている感じがするのとは対照的だ」と指摘する。 もうすぐ軍事侵攻の開始から1年。私は取材で出会った、キーウのお土産屋さんの店主の言葉が忘れられない。 「私の両親は、それぞれウクライナ人とロシア人だ。それなのに殺し合いをしている。毎日、心臓が引き裂かれる気持ちだ…」 「ロシア語」という言語自体が、ひとつの「武器」として利用される現実。 私はかつて学んだ旧ソビエトのウズベキスタンの大学の校舎に掲げられた言葉を思い出す。</p>