元F1最高権威者であるバーニー・エクレストンを題材としたテレビシリーズ『Lucky!』が制作された。この番組では、F1を世界的なスポーツへと変えたエクレストンの探求や葛藤を描いたものだという。
10月に92歳の誕生日を迎えたエクレストンは、1958年のモナコGPにドライバーとして出場したが、予選を通過できなかった。その後エクレストンはドライバーのスチュアート・ルイス-エバンズとヨッヘン・リントのマネージャーになった。1972年にエクレストンはブラバムチームを買収し、チームオーナーとなったことで、F1コンストラクターズアソシエーションのメンバーになった。
エクレストンは1987年にブラバムを売却し、F1全体を手中に収めた。1970年代後半に彼が先駆的なテレビ放映権の販売を行ったことで、F1は発展していった。また、エクレストンと彼の会社は、各F1グランプリの運営やF1の多くの重要な側面を管理していたため、彼はイギリスで最も裕福な人物のひとりになった。
『Lucky!』は、英国アカデミー賞を受賞した2010年の『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』の脚本を手がけたマニッシュ・パンディが制作・監督を務めている。『Lucky!』は2020年9月、2021年5月、2021年7月に撮影されたバーニー・エクレストンの非常に個人的な独占インタビューと、記憶に残る資料映像、そしてこのために作曲されたアントニオ・ピントの音楽が組み合わされており、1時間8話からなる。
製作サイドによると『Lucky!』は、基本的には負け犬だったバーニー・エクレストンが、愛するスポーツであるF1を金持ちのアマチュアによる命懸けの娯楽から、オリンピックとサッカーワールドカップと肩を並べる、テレビ放映される世界的なスーパースポーツへと変えようとする、彼の生涯にわたる探求の物語だ。またこれは、人生のあらゆる場面でますます見られるようになっている根本的な葛藤の物語でもある。スポーツの追求とお金のバランスについてだ。
しかし『Lucky!』の内容は単なるスポーツとお金以上のものだ。それは世界中の何百万人もの人々に支持され愛されるスーパーブランドを作るために、あらゆる困難を乗り越えようとするひとりの人物の真の根性と決意が込められている。
シリーズのタイトルはエクレストンの発言からの引用だ。
「私はF1で何も計画したことがない。チャンスがあればそれを利用した。それが成功したとすれば、それは私がラッキーだったからだ」