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 装着しているクルマがかなり増えたルームミラー一体型ドラレコ。手ごろなモデルも出回っているうえ、スペースも取らない。そのうえなんだか未来っぽい気も。あれは何がそんなにいいのか!? メリット・デメリットと老眼でもちゃんと使えるのかを徹底調査!!

文:高山正寛/写真:ベストカーWen編集部

■フツーのと構造も違う!! ミラー一体型はスペース効率もバツグン

 ルームミラー一体型ドラレコは文字通り、ユニット本体の前方方向にフロントカメラを内蔵したものだ。リアカメラは当然独立しているが、商品によっては室内を撮影するためにこれを本体に搭載しているタイプもある。フロントカメラも取り付け位置の自由度を上げるために独立しているモデルも存在する。

 これらのカメラで撮影し記録した映像はデジタルインナー(電子)ミラー、つまりルームミラーが液晶ディスプレイになっている部分で表示・確認することが可能。また同様に画面の切り替えや記録映像の呼び出しなどの各種設定もこのディスプレイ上で行うことができる。

■メリット多数!! 視界も取り付けも文句ナシ

ご覧の通りミラー一体型のドラレコは配線も少なく、視界も良好!!(nozomin@Adobe Stock)
ご覧の通りミラー一体型のドラレコは配線も少なく、視界も良好!!(nozomin@Adobe Stock)

 今回のテーマは“一体型”だが、最大のメリットとしてはリアカメラを除くほとんどや機能がユニットに内蔵されているので、以下の利点がある。

①普通のドラレコのようにフロントウインドウに貼り付けるカメラが無いので視界を妨げる要素が少ない

②一体構造なので配線類が少なく、取り付け性も別体に比べて楽である

 また車種やガラス面積にもよるが、ドラレコの取り付け位置は道路運送車両の保安基準(第39条)で「ガラス開口部の実長の20%以内の範囲」または「車室内後写鏡により遮へいされる前面ガラスの範囲」と法律で規定されている。

 独立型の場合だと、フロントウインドウの上部にある「黒セラ(黒いセラミックの略)」の部分はドラレコ本体の粘着力が低下するのでカーショップでもこれを避けて極力法規ギリギリで取り付けるようにするケースが多い(筆者も経験がある)。一方、一体型の場合はミラーと同じ高さにあるので視界の確保と同時に法規的な問題もクリアしやすくなる。

■ネットの格安モノは注意!! 車検NGの場合も

担当の母はアマゾンで割安のを入手!! フツーの鏡タイプとは違い慣れるまでに時間がかかったという。ちなみに58歳、もちろんしっかりと老眼(笑)
担当の母はアマゾンで割安のを入手!! フツーの鏡タイプとは違い慣れるまでに時間がかかったという。ちなみに58歳、もちろんしっかりと老眼(笑)

 実は後述する「見え方」の問題以外ではデメリットは少ない。ミラー一体型の場合、元々装着されているルームミラー(車内鏡)に付属の専用ゴムバンドやユニット自体を挟み込む方式とルームミラー自体を取り外し、ユニットを取り付けるタイプに大別される。

 ここで注意しなければならなのが、「ユニット交換型」で前述した「道路運送車両の保安基準」に準じた仕様になっていないと、車検が通らないケースがある点だ。またしっかりとした取り付けがされていないと万が一の事故の際、ユニット自体が外れ、乗員がケガをするケースも考えられる。

 つまり、ミラー一体型ドラレコで交換型の場合は法規対応されているかを確認する必要があるのだ。ただ現在、販売されているこの手のモデルの主流はゴムバンドや挟み込むタイプなのでそれ程ナーバスになることは無いだろう。

 一方注意しなければいけないのが、インターネットのECサイトで販売されている「妙に低価格」のタイプはあまりオススメしない。冒頭に述べたように一体型ならば法規をあまり気にせず、自分で取り付けも可能だ。ネットで販売されている商品はアクセサリーソケットに差し込むだけですぐに使えるものも多い。

 ただ、安全のためのドラレコゆえに、筆者としては映像の見え方や確実な設置のためにもカー用品店などでの取り付けをオススメする。

■やっぱ老眼にはキツい……進化に期待

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 ミラー一体型ドラレコの場合、ミラー自体は光学式ではなく、液晶を使った「ディスプレイ」である。いわゆる“電子ミラー”だが、本来であれば「ミラー」ではない。

 日々スマホを使っている現代人であれば「ハッ」と思い浮かぶことが多いだろう。それが老眼によるピントが合いにくくなる「焦点追従」の問題だ。

 筆者は医者ではないので、知人の眼科医に話を聞くと、個人差ではあるが「加齢による目の水晶体の硬化や毛様体(虹彩の後ろにある三角形の組織)の機能低下によりピントを合わせる時間が遅くなったり、合わせきれないケースもある」とのことだ。

 これらの電子ミラーが登場した際にはピントが合わず「クルマ酔い」のような感覚を受けたという声も聞く。通常はルームミラーとしても使うので、もしピントが合わせづらいと感じるのであれば、別体式のドラレコを選ぶのをオススメする。

 ただ、この液晶ディスプレイの技術に関しては日々進化している現状も覚えておいて損はない。

 筆者の過去の取材では日産自動車の電子ミラーの性能が非常に高く(パナソニック製が多い)現在は第3世代と呼ばれる商品が最新モデルに搭載されているという。開発の人に「見えづらい」ことを話した際「確実に進化する」と言われたが、実際最新モデルではかなりフリッカー(ちらつき)の軽減やピント合わせのし易さ、高精細な映像など進化のスピードは早い。

 これらの技術はタイムラグは発生するが、ドラレコなどにも反映されてくるはずだ。特に電子ミラーの大型化もひとつのトレンドとして進んでいるので将来は老眼の問題とも“おさらば”できる日が来ると思う。

ミラー一体型ドラレコはフロントウインドウの大きさに制限がある車両などにはオススメと言えるだろう。

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