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ポキリと木の枝が折れる音が響いた。ドキッとして振り返り、懐中電灯の光を向ける。木々のあいだに白い光が走った気がした。 前を向くと、おじいさんの背中が見えない。懐中電灯をあちこちに向けて探す。五メートルほど前でおじいさんは立ち止まっていた。 焦る必要はないとわかっているのに、それでも…