アルピーヌのローラン・ロッシCEOは、来季2023年シーズンもF1チーム内でドライバーに序列をもうけることはしないと主張した。
エステバン・オコンとピエール・ガスリーというラインナップで来季のF1を戦うアルピーヌにとって一番の懸念材料となっているのが、カート時代からの幼馴染でありながら決して良好とはいえない両ドライバーの関係性だ。ふたりは確執を過去のこととする姿勢をみせてはいるが、いつそれが再燃してチーム内での争いに繋がるかはわからない。
こうした状況において、アルピーヌのロッシCEOは、両ドライバーには「成熟したリーダーへと変貌を遂げたと示すこと」が求められると『L’equipe』に対して語った。
あくまでふたりに自発的な抑制を求める彼はさらに、「それ以外のこと」、つまり衝突を避けるために戦略上優先されるナンバー1ドライバーをあらかじめ決定しておくというアイデアは「あまり健全な行動とはいえない」と明確に否定した。
「そうしたことをすれば、マネジメント面においても大きな負荷がかかることになる。おそらくレッドブルを除けば、他のチームのドライバーには存在しないだろう」
ロッシが指摘するように、ドライバー間に序列をつけるためには常にナンバー2のドライバーへのケアが求められることになる。例えそのことに成功したとしても、2022年のF1ブラジルGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がみせたチームオーダー拒否問題のように、新たな火種を作ることも考えられる。
2022年シーズンもオコンとフェルナンド・アロンソによるチーム内争いに頭を悩まされてきたアルピーヌだが、ロッシは「タイトルが狙えるとなったなら、私たちもそうするかもしれない」と譲歩こそしたものの、来季もあくまで両ドライバーを対等に扱う姿勢を続けるようだ。
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