<p>【矢板明夫の中国点描】定年退職の前任者より年上に…台湾担当者人事の謎</p><p>【矢板明夫の中国点描】定年退職の前任者より年上に…台湾担当者人事の謎 台湾問題の解決に執念を燃やす習氏はこれから、軍と台湾事務弁公室を使い分け、台湾に対し圧力を強めていくとみられる。</p><p>昨年12月28日、中国政府内で台湾問題を担当する機関・国務院台湾事務弁公室のトップである弁公室主任に、中国共産党中央対外連絡部の元部長、宋濤氏を就任させる人事…</p><p>宋濤(そう・とう)中国共産党中央対外連絡部長(左)の表敬を受ける安倍晋三首相(いずれも当時)=2018年10月11日午後、首相官邸(春名中撮影) 昨年12月28日、中国政府内で台湾問題を担当する機関・国務院台湾事務弁公室のトップである弁公室主任に、中国共産党中央対外連絡部の元部長、宋濤氏を就任させる人事が発表され、台湾側の関係者を驚かせた。 というのは、65歳で定年退職した前任者の劉結一氏より2歳年上の67歳だからだ。しかも、宋氏はこれまで長年、共産党の外交部門で政党外交を担当し、何度も北朝鮮を訪問したことがあり、北朝鮮労働党の専門家ではあるが台湾問題について全くの門外漢である。 さらに、宋氏は昨年10月に閉幕した党大会で中央委員に選ばれず、中央委員候補でもない。台湾海峡情勢が風雲急を告げる中、習近平政権は重要なポストをヒラの共産党員である宋氏に任せた。その真意について、台湾でさまざまな臆測が飛び交っている。 特集・連載:</p>