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「やった。抜けたぞ」 船長(ふなおさ)が安堵の声を上げた時、北西からの突風が船を押し流し始めた。 「前へ漕げ。後ろの岩場にぶつかるぞ」 水手たちは命じられた通り懸命に漕いだが、強風にはかなわない。船長は何とか岩礁をさけようと、上げていた舵を下ろして船の向きを変えようとした。 南無三、…