新車は納期が長かったり受注が一時停止されていたり、中古車は価格が異様なまでに高騰しているし……クルマが買いづらくなってしまった今日この頃。だったら! 苦労の末にようやく手に入れた1台を長く乗りたいと思わない?
そこで選ぶべきクルマはといえばズバリ! 年式が古くても現行モデルと大差ない見た目でハッタリが利くモデルチェンジサイクルが長いクルマだ。じゃあ、どのクルマが該当するのだろうか?ということで、ここでは以下の5台をピックアップ。
文/FK、写真/ダイハツ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ
カローラ アクシオ&フィールダーはいつのまにやら10年選手となったド定番の大衆車
スタンダードの4セダン、5ドアハッチバックのスポーツ、5ドアワゴンのツーリング、SUVのクロスまで多彩なラインナップを誇り、若者から人気を集める現行のカローラ。
しかし、ひと昔前のカローラはどちらかといえばオジサンが選ぶ大衆車だった。そんなイメージが今でも残っているカローラも存在する。それが4ドアセダンのアクシオと5ドアワゴンのフィールダーだ。
2012年5月、日本の道路環境にフィットするコンパクト車として登場した両車。“ビッグスペースコンパクト”をコンセプトに小回りがきくコンパクトなボディに大人4人がゆったり過ごせる快適な室内空間と安心して運転できる広々とした視界を確保しつつ、1.5リッターエンジンの大幅改良と新開発Super CVT-iなどによって走行性能と燃費を向上。発売1カ月後の受注台数も、7000台の月販目標台数に対して約1万5000台と順調な立ち上がりとなった。
2013年8月にハイブリッド車を追加、2015年3月に1.5リッター新開発エンジンやToyota Safety Sense Cを導入、2017年10月にフロントグリル周りのデザインを変更、2021年9月に安全装備を強化。
そして、2022年8月の一部改良でもプロジェクター式LEDヘッドランプ、マニュアルエアコン搭載では初となるナノイーX、充電用USB端子(Type-C)が全車標準装備となるなど正常な進化を遂げている。まもなくデビューから11年を迎えるが、リーズナブルな車両価格と相まってそのニーズは衰えそうにない。
唯一無二の軽オープンスポーツカー、コペンは今のうちに買っておけ!
ホンダのS660が2022年3月に生産が終了になったことから、軽オープンスポーツカーとしては唯一無二の存在となったコペン。
2022年6月に発売20周年を迎えたコペンは、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発されたダイハツのフラッグシップモデル。それだけに、2014年に登場した2代目はダイハツの個性が爆発したこだわりが満載されている。
コペンの象徴とも言える電動式開閉ルーフは初代を継承しつつも、オープンスポーツカーらしい本格的な走りを支える基本骨格として高剛性を誇る新骨格構造のD-Frameを採用して高い走行性能を実現。
しかし、それ以上に注目に値したのが、内外装着脱構造のDRESS-FORMATIONの採用だ。外板を13個の樹脂パーツの集合体ととらえることで実現したDRESS-FORMATIONは“クルマは購入後のデザイン変更が難しい”という固定概念を覆し、購入後でもオーナーの嗜好に合わせたデザイン変更を可能にした画期的なシステムで、ファッションを楽しむような感覚でいつでも自由に形や柄、空力特性が変えられるもの。それだけにオーナーにとっては飽きがくることなく、長く乗るには最高の一台と言えるかもしれない。
また、ひと口にコペンと言っても、実はローブ、エクスプレイ、セロ、GR SPORTという個性が際立つ4つのスタイルを有していることも特徴のひとつ。選択肢が多いこともオーナー予備軍にとってはうれしいポイントとなるに違いない。
ライバル不在!? 今なお売れ続けるロードスターの人気にいっさいのかげりナシ!
コペンと同様に国産車では唯一無二の2シーターライトウェイトオープンスポーツモデルであるロードスター。
2000年5月に2人乗り小型オープンスポーツカー生産累計世界一の記録を樹立し、2016年4月に累計生産100万台を達成するなど国内の枠に留まらないグローバルモデルは2015年4月に現行モデルが登場。マツダのスカイアクティブ技術とデザインテーマの魂動を採用した新世代商品第6弾として登場した現行ロードスター。短くて低いフロントオーバーハングと人を中心に配置したコンパクトなキャビンが創り出した乗る人の姿が引き立つ美しいプロポーションは、今なお色褪せることはない。
また、人がクルマを楽しむ感覚をかつてないほど気持ち良いものにするべく、現行モデルではアルミや高張力鋼板、超高張力鋼板の使用比率を71%に高めるとともに剛性を確保しながら軽量な構造を追求して、先代モデル比100kg以上の軽量化も実現。
2022年1月には最軽量のSグレードから、さらなるバネ下重量の低減を図った特別仕様車の990Sが登場。RAYS社製鍛造16インチアルミホイール、Brembo社製大径ベンチレーテッドディスク&対向4ピストンキャリパー、ダンパー・コイルスプリング・電動パワーステアリング・エンジン制御の専用セッティングなどスペシャル感も満点なことから、セールスも絶好調なのだという。
デビューからもうすぐ8年が経過するロードスターだが、その進化はまだまだ止まらない。
フルモデルチェンジの噂が絶えないGT-Rは現行国産乗用車の中では長寿番付No.1!?
2020年から新車ラッシュが続く日産車のなかにあって、デビューからフルモデルチェンジを行うことなく販売が続けられているR35 GT-R。もちろん、年次改良によって大幅な進化を遂げてきていることは言うに及ばないが、良くも悪くも現行の国産車のなかではモデルチェンジサイクルが長いクルマの代表格になりつつある。
そんなGT-Rが発売されたのは2007年12月。当時の触れ込みは「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを具現化した新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカーだった。
メカニズムも特筆点は枚挙に暇がなく、プレミアム・ミッドシップパッケージを新たに開発。世界で初めてクラッチ、トランスミッション、トランスファーを車両後方に移動させ、リアファイナルドライブと一体化した独立型トランスアクスル4WDを採用。フロントタイヤのグリップ荷重はエンジン、リアタイヤへは独立型トランスアクスルが荷重を与えることで4輪のグリップ荷重最適化を実現している。
同じく新開発の3.8リッターV6ツインターボのVR38DETTエンジンは、プラズマコーティングボアシリンダーやエキゾーストマニホールド一体型ツインターボなどによって、480psの最高出力と60kgf・mの最大トルクを発生。現行モデルはエンジン型式こそ同じだが、最高出力は570ps、最大トルクは65kgf・mにまで進化を遂げている。
そんなGT-Rは2021年9月に2022年モデルが発表されたが、次期モデルの発表やフルモデルチェンジはいつになるのか? 興味は尽きない。
長納期で2代目がなかなか手に入らないヴェゼル、だったら初代モデルはいかが?
2021年4月に発売され、好調なセールスを続ける2代目のヴェゼルだが、実は初代モデルは2013年12月から2021年3月まで販売されたロングセラーモデル。
2代目の新車価格は最廉価グレードでも約230万円でおいそれと手が出せないが、初代モデルならば中古車市場で150万円前後から探すことができ、意外と狙い目だったりする。
しかも、初代モデルがもつSUVの安定感とクーペライクなスタイリングを融合したデザインは今なお健在! 質感にこだわったインテリアも、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによって流麗なフォルムからは想像できないほど大きな荷室やミニバンなみのゆとりある室内空間を実現している。
パワーユニットは1.5リッター直噴エンジン搭載車と軽量コンパクトな1モーターシステムでありながらモーターのみのEV走行も実現したSPORT HYBRID i-DCDの2種類を設定。エンジン車は20.6km/L、ハイブリッド車は27.0km/L(ともにJC08モード)という優れた燃費性能も達成。
加えて、上級セダンと同等の高性能な吸音材や遮音材を採用することによって、優れた静粛性を実現するとともに、走行シーンに応じて最適な減衰特性を発揮する振幅感応型ダンパーを採用することで乗り心地と操縦安定性を高い次元で両立している。
新車の納期がガソリン車が半年以上、e:HEVが1年程度とアナウンスされているだけに……だったら、古さを感じさせない初代モデルを選ぶのもアリな選択かもしれない。
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投稿 「古い」ではない!! 「長く愛されていて変える必要なし」だ!! ロングセラーご長寿人気車5選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。