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お財布のひもは締めたい!! だからこそ見直したい!! 今アツい「狙い目商用車」

 乗用車(自家用車)とは異なる毎年車検(新車登録後の1回目の車検は2年)が必要な商用車。そう聞くと「維持費が高くなるので?」と思われるかもしれないが、自動車税や重量税が乗用車に比べると割安で、実は維持費が抑えられるメリットがある。最近では、あえて商用車として発売される軽モデルもあるほど世の中のニーズは高まりつつある。物価上昇が続く昨今、だったらクルマもコスパを重視したいという人は商用車への乗換えも視野に入れてみては?

文/FK、写真/スズキ、ダイハツ、トヨタ、ホンダ

ハイゼットカーゴは不動の人気を獲得するキャブオーバーバンNo.1モデル

お財布のひもは締めたい!! だからこそ見直したい!! 今アツい「狙い目商用車」
多くの荷物を効率的に積みたいというニーズに応えるべく、車体形状のスクエア化などによってクラス最大の積載スペースを実現したハイゼット カーゴ

 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会が発表した2022年上半期の軽四輪通称名別新車販売台数において、キャブオーバーバンNo.1の4万4029台を記録したハイゼットカーゴ。これは、数多ある軽乗用車を含めてもN-BOX、スペーシアに続く全体の3番目に相当する販売台数となる。

 群を抜くセールスに直結しているのが、一昨年12月に行われたフルモデルチェンジで11代目が登場したこと。近年の軽商用車を取り巻く環境変化に対応するべく、一昨年のフルモデルチェンジでは商用車初の“DNGA”(Daihatsu New Global Architecture)を展開してプラットフォームを一新するとともに、FR用CVTを軽商用車として初めて採用し、燃費・静粛性・発進性といった基本性能を向上。最新の予防安全機能であるスマートアシストを採用して、安全・安心への高まるニーズにしっかり対応しているところも特筆すべきポイントだ。

 また、より多くの荷物を効率的に積めるよう、車体形状のスクエア化などによってクラス最大の積載スペースを確保。荷室の側面や床面のフラット化などで荷物を傷つけることなく、効率的に使用できる使い勝手の良さも魅力なだけに、軽四輪キャブオーバーバンNo.1を獲得するのもナットク……と言わざるを得ない。

 最廉価グレードの「スペシャル」2WD/5MT仕様は104万5000円(税込)~。このご時世に非常に挑戦的な価格だ。さすが軽商用の雄。ちなみに軽商用は軽乗用に比べて(新車時の価格や税金が安いだけでなく)下取り時に値落ちしにくい、というメリットもある。これはモデルサイクルが長いうえ、定期的に整備されているクルマが多いという証拠だろう。

軽トラで個性派を気取りたいならスーパーキャリィを選ぶのも一興

お財布のひもは締めたい!! だからこそ見直したい!! 今アツい「狙い目商用車」
標準モデルのキャリイに対して、キャビンを後方へ460mm拡大し広い室内空間を実現したスーパーキャリイ

 ハイゼットは軽トラックの販売台数でもNo.1を誇る、まさに“軽商用車の王者”とも言うべき存在だが、「人と同じじゃつまらない」という人はスズキのキャリィという選択肢もある。

 なかでも、キャビンを後方へ拡大して室内空間を広くすることで、シートリクライニング機構の採用やシートスライド量を増やしてゆとりある運転姿勢を可能にしたスーパーキャリィなら普段使いもできる優れモノ。

 全車とも頭上空間にゆとりをもたせたハイルーフ仕様で2018年5月に発売されたスーパーキャリィ。頭上に荷物を収納できるオーバーヘッドシェルフを装備するとともに、座席後方には荷物を置くスペースを確保するなど、収納性を向上させながら、キャビン下に空間を設けることでキャリィと同等の荷台フロア長も実現。

 運転席もクラストップのリクライニング角度最大40°とシートスライド量180mmを実現し、大柄な人でも乗用車のようなゆとりある姿勢での運転が可能となっている。  

 また、スズキの予防安全技術であるスズキ セーフティ サポートの誤発進抑制機能と後方誤発進抑制機能を軽トラックで初採用し、全車に標準装備するなど安全装備も充実。車両本体価格も競合車のハイゼットジャンボが109万4500円~145万2000円なのに対し、スーパーキャリィは105万8200円~144万7600円と若干ながら割安なのも利点と言える。

「私は最強」を地で行くハイエース バン、アウトドアもカスタムも普段使いもイケる

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多岐に渡るラインナップも魅力のハイエース。写真は4ナンバー(標準ボディ・標準ルーフ)と1ナンバー(ワイドボディ・ミドルルーフ)が設定されているスーパーGL

 1967年にデビューして以来、優れた耐久性や高い信頼性はもちろん、広い室内空間や優れたユーティリティ性などが高く評価されている箱バンの代名詞的存在=ハイエースは、街中のそこかしこで目にすることも多い一台ではないだろうか。

 そんなハイエースの現行モデルである200系と呼ばれる4代目のデビューは2004年8月。間もなく19年を迎えようとしている超ロングセラーモデルはビジネスカーとして活躍していることは言うに及ばず、チューニング&カスタムのベース車両として絶大な人気を獲得している。

 加えて、最近ではアウトドアブームの影響もあって、レジャーユースとしても重宝されており、その評価は高まるいっぽうだ。

 また、ハイエースと聞くと大柄なボディというイメージを持っている人も多いだろうが、実は標準ボディのサイズは全長4695mm、全幅1695mm、全高1980mmという4ナンバー(5ナンバー)枠内に収まっている。それだけに取り回し性も決して悪くはなく、普段使いの足としても使い勝手は悪くはないのだ。

 2022年4月にはパーキングサポートブレーキの標準装備やスーパーGL(バン)とGL(ワゴン)に標準装備のフロントフォグランプをLED化するなど一部改良を実施して地味ながらも進化を果たしている。

軽バンの新たな可能性を具現化したN-VANが次代を切り拓く!?

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N-BOXで新規開発したプラットフォームをベースに商用向けに専用設計したN-VAN。FFとセンタータンクレイアウトによる低床化で高さのある荷物も積載可能な大空間の荷室を実現

 軽バンの新基準になるべく開発されたN-VANは2018年7月にデビュー。軽バンの機能を追求したG、Lの2グレードに加え、質感の高い内装や充実したカラーラインナップで個性を際立たせた+STYLEも設定し、商用にとどまらない幅広い用途で使える軽バンの新提案も行われた。

 FFプラットフォームの低床フロアと助手席ダイブダウンで実現した大空間の荷室、積み下ろし効率を向上した助手席側ピラーレス採用によるダブルビッグ大開口、ストレスなく移動できる優れた走行性能・乗り心地・低燃費などが奏功し、発売1カ月後の累計受注台数は1万4000台を超える好調な立ち上がりを記録した。

 同年12月には一般社団法人日本流行色協会と公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が主催し、車両のカラーデザインの企画力や形との調和を含む内外装すべてのカラーデザインの美しさを評価する「オートカラーアウォード」のグランプリ獲得(エクステリア:ガーデングリーン・メタリック/インテリア:ブラック)も話題に。

 また、ホンダでは2024年春にN-VANをベースとした新型軽商用EVの発売を予定。EVの課題となる航続距離は商用利用から日々の買い物や通勤・通学、趣味活用などに対応する実用性を兼備する200kmを目標とし、価格もガソリン車と同等の100万円台から設定……とアナウンスされているだけに、その続報にも期待したい。

見た目はいかにもな商用車だけど…公道最速のプロボックスを侮るなかれ!

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扱いやすく、かつ高い操縦安定性と乗り心地の良さを追求したプロボックス。快適性と使い勝手の良さもいっそう深化させることで商用車に求められる要件を徹底追求

 「高速道路の王者」や「公道最速」などの異名をとるプロボックスは、2002年7月に先進の環境・安全性能を備えた21世紀のビジネスシーンを一新する画期的なコマーシャルバンとして登場。

 取り回しの良いコンパクトなサイズでありながら十分な荷室容量を確保したパッケージはもとより、新開発のラテラルコントロールアーム付4リンクリアサスペンションや高剛性ボディの採用によって、優れた操縦性や走行安定性に乗用車ライクな乗り心地と高い静粛性を実現。

 また、市場実態調査に基づいて運転席まわりにビジネスをサポートする多彩で便利な装備・収納スペースを設置するなど、商用車ならではの利便性も追求されていた。

 2014年8月にはプラットフォームの改良によってサスペンションの構造を見直し、さらに扱いやすく、高い操縦安定性と乗り心地の良さを両立したマイナーチェンジを実施。Dual VVT-iを採用した新搭載の1.3リッター 1NR-FEエンジンと1.5リッター 1NZ-FEエンジンにSuper CVT-iを組み合わせることで滑らかな走りを実現するとともにクラストップの燃費性能も実現した他、フルモデルチェンジに相当する細かい改良が行われた。

 最近ではカスタムのベース車両としても高い人気を獲得しており、その存在感は増すいっぽうだ。

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投稿 「安さ」で選ぶなら商用車!! 物価高時代を賢く生き延びるための狙い目商用車たち自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。