1月13日、千葉県の幕張メッセで開幕した東京オートサロン2023の会場で、2023年の参戦体制について発表を行ったBMW Team Studie×CSL。BMWワークスドライバーのブルーノ・シュペングラー参戦の報も大きな驚きをもって迎えられたが、シュペングラーが参戦できないラウンドでその代わりを務める柳田真孝の加入もまた驚きとなった。いったいどんな経緯で加入が決まったのか、柳田とBMW Team Studie×CSLの鈴木康昭代表に聞いた。
■『BMWっぽい』ドライバー
柳田はスーパーGTファンなら誰もが知るとおり、GT500クラスで二度、GT300クラスで二度と合計4回のチャンピオンを誇る。2022年は第2戦富士で2位表彰台を獲得するなど、43歳となったが、まだまだその実力が健在なのを証明している。
そんな柳田はニッサンのイメージも強いが、2021年はメルセデスAMG、2020年はロータス、2017年はアウディと外国車も多くドライブしている。しかし鈴木代表は、実は柳田に対して以前から鈴木代表“らしい”評価をもっていた。
「こじつけでもお世辞でもなくて、彼は『BMWっぽい』と思っていたんです」と言うのは、BMW専門チューニングショップが本業である鈴木代表。
「僕のなかでの、“BMWオーナーの理想像”みたいなところがあるんです。スポーティで、ビジネスマンにも見えて、もちろんカッコ良くて清潔感があってスタイリッシュ。いまのスーパーGTドライバーのなかで、いちばん『BMWっぽい』かもしれない」
「ああいう人なつっこい性格もありますし、2008年にスーパーGT参戦を始めてから、ずっと気になっていた存在なんです」
この鈴木代表の柳田評は、かなり以前から筆者も聞いており、ずっと前から気になる存在だったことは間違いない。ただ柳田は「GT500のチャンピオンだったし、ウチのチームに……という距離感ではなかった」が、2022年にドライブしていた近藤翼に他チームからオファーがあったか、その代役を探す必要があり、2022年途中からドライブする機会がなくなっていた柳田に白羽の矢が立ったというわけだ。
「彼をチームに迎えることができてすごく嬉しいですし、柳田選手はかなり“もっている”ドライバー。僕はあまり“もってない”から(苦笑)」と鈴木代表は笑顔をみせた。
![BMW Team Studie×CSLの鈴木康昭代表](https://cdn-image.as-web.jp/2023/01/16181852/asimg_b01_7663c5167bc945f-660x440.jpg)
![BMW Team Studieの2023年カラーリング](https://cdn-image.as-web.jp/2023/01/13124617/asimg_b02_f663c0d4090508a-660x440.jpg)
■豊富な経験を武器に
一方、柳田も「BOBさん(鈴木代表の愛称)がああいうキャラクターですし、以前から挨拶する関係ではあったんです。向こうも気軽に接してくれていました」と鈴木代表と同じ印象を以前からもっていたという。
そんな柳田に具体的なオファーがあったのは「10〜11月くらい」。「その前から電話で話したりはしましたが、その後チームとも話をし、正式なオファーが来てからは1週間ほどで返事をした」という。
「もちろんフル参戦ではありませんが、すごく魅力があるオファーだと感じたのが正直なところ。ミシュランタイヤでもずっと戦っていましたし、すごく強いチーム」と柳田。ちなみにStudie BMW M4はBBSホイールを履くが、柳田はBBSとも関係が深い。
「それに荒(聖治)さんと組むのもすごく楽しみです。2006年以来で、それ以降も一緒に仕事をしたりしていますし、年上で頼れる人。ベテラン同士ですけど、嬉しいです」
2022年のBMW Team Studie×CSLは優勝も飾り、表彰台争いも展開した。そんなチームからの参戦だけに、柳田の表彰台にも期待が集まる。「参戦できるレースではすべて表彰台を狙うくらいじゃないと、次にいつチャンスが転がってくるかも分からない。きちんとチームの状況も把握しながら、一緒に戦っていきたいです」と意気込んだ。
鈴木代表が期待を寄せる“もっている”部分ももちろんだが、柳田の言葉にも出てきたとおり、ミシュランの非常に豊富な経験(さらに言えば他メーカーも良く知っている)、GT3の知識は、シュペングラーが来日するであろう公式テストまでに、開発の大きな助けになるはずだ。
![荒聖治と柳田真孝が組むのは、KONDO RACINGでの2006年以来となる。](https://cdn-image.as-web.jp/2023/01/13124622/asimg_b04_8663c0d40e5059a-660x440.jpg)
![BMW Team Studieの2023年の参戦体制を発表し、ブルーノ・シュペングラー&柳田真孝の加入が明らかにされた。](https://cdn-image.as-web.jp/2023/01/13124618/asimg_B00_f663c0d40a830ec-660x440.jpg)
![2006年第9戦富士でWOODONE ADVAN KONDO Zを駆り3位に入った柳田真孝/荒聖治組](https://cdn-image.as-web.jp/2023/01/16182026/asimg_01_8663c516d963120-660x440.jpg)